【前編】不思議な甘味料、メープルシロップのあれこれ。

美味い食べ物

私の好物のひとつ、「メープルシロップ」のおはなし。

メープルシロップは、サトウカエデなどの樹液からつくられた甘味料です。

Canada No.1メープルシロップ ミディアムからピュアー・メープルシロップ(アンバーカラー&リッチテイスト)

カエデ(楓)は英語で、[maple(メープル)]。濃厚な糖液を指す総称、[ syrup (シロップ)]。

カエデからつくられる濃厚な糖液なので、[maple syrup (メープル シロップ)]と呼ばれています。

ホットケーキやワッフル、フレンチトーストなどにかけて使うのが一般的です。

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今回は、そんなメープルシロップの魅力をお伝えするほか、話のネタに使えるような雑学、使い方や選び方などの情報をお届けしたいと思います。

メープルシロップの魅力である[風味]について

女性のみならず、男性でも甘いものに目がないという方は多いのではないでしょうか?かくいう私も甘いものが大好きです。

数ある“甘いもの”のなかでも、メープルシロップにしかない魅力というのは何なんでしょうか? 

チョコレートシロップにコーヒーシロップ、コーンシロップなど…シロップというだけでも色々種類があります。

さらに『甘味料』というカテゴリまで範囲を広げると、その種類はもはや把握しきれないほど多岐にわたります。

そんな中でなぜ、メープルシロップなのか?

それは…メープルシロップだけが持つ独特な風味は、他のシロップや甘味料には無いものだからです。

メープルシロップ特有の風味について

しつこくないのに、豊かなコクがある

クセがないのに、ほかのどれにも似ていない個性

メープルシロップの風味を表現すると、こんな感じでしょうか。

これまでに一度でも味わったことがある方であれば、共感してもらえる部分があるのではないでしょうか?

砂糖やガムシロップなどのように精製された甘味料では、メープルシロップの代わりにはなり得ません。

確かにそれらはクセこそないものの、絶対的に風味が足りないため「料理にかける」といったアクセント的な使い方は出来ないのです。

フレンチトーストのように、たくさんのバターや卵を使うような料理とマッチするということをみても、他の食材や調味料の味を損なわず、それでいて埋もれない個性があるのは明らかです。

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メープルシロップのほか、アクセントとしてに添えられることが多いのは、

  • アイスクリーム
  • バター
  • チョコレートシロップ

といった動物性の油脂分を含むものが多いです。これらの油脂分は料理にコクをもたらしてくれるからです。

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それらと同じような使われ方をされることの多いメープルシロップは 、不思議なことに100%植物由来かつ油脂分を一切含みません。

この点からもメープルシロップの存在は少し特別なものであることが伺えます。

パンケーキにかけるなど…似たような使われ方をする、数少ない植物由来の甘味料として「ハチミツ」があります。シロップ状という点も共通していますね。

しかし、“クセ”に関してハチミツの方は若干強すぎる印象があります。甘いものが好きでもハチミツはちょっと苦手…という方は自分の周りにちらほら居たりします。(かくいう私もハチミツ苦手です。)

こうしてみると、メープルシロップだけが持つ独特な風味は、やはり他のどのシロップや甘味料にも似ていないことがわかりますね。

独特の風味を生み出すもの

これには大きく2つの要素があると思っています。

1つめは「」です。

栄養成分表を元に簡単にひも解いてみましょう。

カロリーは100g中257kcal(※1)と、他の一般的な甘味料と比べれば低めな部類(※2)となります。

※1…砂糖は100g中384kcal。ハチミツは100g中294kcal。ガムシロップは100g中233kcal。(ガムシロップが意外と低カロリーですね。)

※2…ローカロリー(ダイエット)甘味料を除く

糖質(炭水化物)が66%と低いため、味があっさりとしていて、とても食べやすいのが特徴です。

※砂糖の糖質は99%。ハチミツの糖質は80%ほど。

メープルシロップくらいの甘さが、食材の味も損なわない絶妙な甘さなのかもしれません。

またメープルシロップは、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分が多く(※3)含まれています。

※3…あくまで、甘味料の中では比較的多く含まれているといった程度です。

含有するミネラル分のバランスが、メープルシロップ特有の個性的なテイストをもたらしているのではないかと推測されます。 

2つ目の要素は「香り」です。

メープルシロップは、木の樹液を原料としています。

それも、着色料や添加物を一切含まない自然食品です。

ハチミツは花によって少しずつ味・香りが異なりますが、それは樹木にも言えること。

この香りはサトウカエデという木だけが持つ、オンリーワンの個性なのです。

ちなみに、メープルシロップの独特の香りは、人を幸せな気持ちにさせるという研究結果も出ています。

木の香りは人を癒す」とよく言われますが、その樹木のエキスを高い濃度まで煮詰めたものですので、確かにそのような効果があっても不思議ではありません。

味と香り——。この2つの要素が他の甘味料にはない、メープルシロップ特有の風味を生み出しているのではないでしょうか。

メープルシロップの栄養成分表示(100g当たり)
エネルギー257Kcal
たんぱく質0.1g
脂質0g
炭水化物66.3g
食塩相当量0g
カリウム230mg
カルシウム75mg
マグネシウム18mg

日本食品標準成分表 2015年版 七訂

メープルシロップができるまで

メープルの樹木は、夏の間に蓄えたでんぷんを“糖分”に変えて、カナダの冬の厳しい寒さに耐えるそうです。

冬が終わり、雪解け水が流れる頃——。サトウカエデの樹木は、大地から水分を吸い上げて、糖分をわずかに含んだ樹液「メープルウォーター」をつくりだすのです。

この糖分を含む樹液「 メープルウォーター」こそが、メープルシロップの源泉となるわけです。

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カナダの名所 レイク湖の冬

北米地域に入植者がやって来る1600年代——。そのはるか昔から、メープルの原生林は存在していました。

先住民はメープルの樹液が甘く、栄養価もあり、生きていくためのエネルギー源になることを知っていました。

先住民の発見により始まったメープルウォーターの利用ですが、入植者の流入によりメープルシロップの製造方法はいよいよ確立します。

そこから現在に至るまでの様々な工夫により、メープルシロップの味と品質、生産性は高められてきた…という歴史があるのです。

メープルシロップが採れる木、サトウカエデについて

サトウカエデ (砂糖楓、学名:Acer saccharum) [ムクロジ科カエデ属 ]

カエデ科の落葉高木で、 北アメリカ原産。樹液に砂糖分を含むのでサトウカエデの名がつけられている。

アメリカ北東部からカナダにかけて森林を形成している。 高さは30~40メートル、幹の直径90センチメートルに達する。

秋には葉が紅や黄色に美しく色付くので、街路樹などにも用いられる。4~5月の時期に、新葉とともに黄色の花をつける。

「サトウカエデ」の画像検索結果"
サトウカエデの木

日本の秋を彩るカエデの木。綺麗な黄色の葉がとても映えます。

日本人にも馴染み深いカエデと、メープルシロップが採れるサトウカエデは、実は仲間なのです。

サトウカエデは北米原産。カナダを代表する木ということもあり、その「葉っぱ」はカナダの国旗に用いられています。これはみなさんもよく知るところだと思います。

秋の葉、カエデ、葉、秋、自然、赤

日本の秋には欠かせない『イタヤカエデ』

カナダの国旗。
紅葉の美しさのほか、厳しい冬の暮らしを象徴するものとして用いられる。

サトウカエデは古くから現地の人々の暮らしに役立ってきました。

甘い樹液は、今回のテーマである「メープルシロップ」の原料となります。

木材は「メープル材」と呼ばれ、その堅牢性から家具などに利用されたり、耐摩耗性が高い事から床材などに適するとされます。楽器や野球バットにも使われることが多いそうです。

(バット素材としては、バリー・ボンズが年間73本塁打の新記録をメープル材のバットでマークしてから、今日の主流となっているそうです。わりと最近の動きですね。)

変わった所では、木製の軸受(ベアリング)としても利用されるそうです。用途によっては樹脂や金属の軸受よりも高い性能をマークすることもあるとか。

日本でも、明治時代以降にサトウカエデの植樹が進んでいったようなのですが、もっぱら街路樹として用いられているようです。

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株式会社丸米商会 様
サイトより引用

メープル材の中でも、「バーズアイ(鳥眼杢)」と呼ばれるものは、大変貴重かつ超高級品とされているらしいです。

木製軸受 ロールエンド軸受
株式会社テクノサポート様
サイトより引用

WOODEX社の木製軸受。サトウカエデでなければ出せない性能があるようです。

樹液はどうやって採取する?

サトウカエデの木からメープルウォーターが採れるのはわずか10日から20日ほどしかありません。

この時期を迎える前に、生産者たちは樹齢や健康状態などを考慮しながら、“採取口”を取り付けていきます。

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サトウカエデに取り付けられた
メープルウォーターの採取口

木を守るために若い木ではなく、樹齢30〜40年くらいの樹齢のものを選んで、幹のサイズに応じて1~4ヶ所ほどにドリルで穴をあけて、採取口を取り付けます。

冬から春に季節が移り行く際の、気温の変化によりメープルウォーターが採取口から流れ出てきます。

採取口を取付けることにより、樹木には穴が開いてしまいますが、このキズは4年ほどで自然治癒するそうです。次回採取する際には、樹木保護の観点から、出来るだけこの穴から離れた位置に採取口を取り付けるようにするそうです。

一昔前(1950年代頃まで)は、採取口から流れ出るメープルウォーターをバケツに溜め集めていました。

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アルミバケツで、流れ出る樹液を集める様子

1960年代に入ると、メープルウォーターを集めるためのバケツはビニールのチューブに取って変わられました。

ビニールチューブが登場したことにより、メープルウォーターの入ったバケツをいちいち運搬する必要がなくなりました。技術の近代化により、生産効率は飛躍的に進歩したのです。

サトウカエデの木から伸びるチューブは、最終的にシュガーハウスと呼ばれる小屋の中にある、大きなタンクへと行き着きます。

採取口に取り付けられたビニールチューブが森の中に張り巡らされている様子
チューブは最終的に「シュガーハウス」へと行きつきます
引用元: https://maplefromcanada.jp/

樹液を〇〇するとメープルシロップに!

メープルウォーターは、サトウカエデの純粋な樹液です。

見た目は透明でさらさらとした水のような液体です。 糖度も2~5%ほどしか無く、残りの98%のほとんどは水分です。

このままではほぼ、ほんのり甘い「水」にしか過ぎません。

“あること”をすることで、薄~い砂糖水のような「樹液」は、濃厚な「メープルシロップ」へと新たに生まれ変わります。

これにより、メープルウォーターは約40分の1まで濃縮されます。

その“あること”は、メープルウォーターを回収するための小屋である、シュガーハウスの中で行われます。

森にひっそりと佇むシュガーハウス。
メープルウォーターを回収する以外の役目も…。

答えは、下の画像にあります。

メープルシロップの生産量を5~6倍に引き上げることができる新技術
GIGAZIN 様 サイトより引用

樹液の濃度や量に応じて、加熱温度を制御する高性能な加熱器。

メープルシロップの生産量を5~6倍に引き上げることができる新技術
GIGAZIN 様 サイトより引用

煮詰めていくことで、メープルシロップの特徴である綺麗な琥珀色になります。

そうです、「煮る」のです。

糖度66%になるまで長い時間を掛けながら煮詰めた後、不純物を取り除くためのろ過工程を経て、メープルシロップは完成します。

濃縮度が40倍ですので、1ℓのメープルシロップをつくるのに、およそ40ℓのメープルウォーターが必要な計算となります。

メープルシロップは、ホットケーキにかける蜜(みつ)として最高級品とされているそうですが、この生産方法を知れば納得です。

と同時に、メープルシロップ独特の奥深い風味の秘密が垣間見れたような気がします。

前半はここまで・・・。

今回の記事(前編)では、メープルシロップの魅力、メープルシロップが出来るまでの過程を中心に取り上げさせていただきました。

引き続き、メープルシロップを訪ねる旅は続きます。

続きは後編として近日アップ予定ですので、ブログ更新されているかちょくちょくチェックしに来ていただけると嬉しいです。

最後に、後編で取り上げる内容について簡単にお知らせさせていただいて、今回は失礼します!

【次回予告】 不思議な甘味料、メープルシロップのあれこれ。後編について

  • メープルシロップの雑学
    • そのメープルシロップ…実はメープルシロップではないかも⁉
    • 紅葉(もみじ)の木からもメープルシロップはできる?
    • メープルシロップは虫歯にならない?太らない?
  • どんな使い方があるの?メープルシロップの楽しみ方について
  • なにを基準に選べば良いの?メープルシロップの選び方について
    • メープルシロップにはグレードがある

※内容は一部変更される可能性があります。

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