この記事は「カーエアコンが冷えない」といった症状を改善すべく、私が自ら修理に挑んだ全記録です。
修理といっても、所詮は素人。あまり難しいことは出来ません。
よって、私のチャレンジは道具さえあれば誰にでも出来るような内容ばかりです。
冷えないカーエアコンは、自分で直せるものなのでしょうか?
それとも、プロの整備士に任せた方が良いのでしょうか?
それでは本編スタートです。

買ったばかりの車のエアコンが不調です
最近、マイカーのエアコンが涼しくないです。
冷房能力が外気温と日差しに完全に負けています。
悲しいことに、マイカー(中古)は乗り換えてからまだ1年未満…。この世に神がいないことが証明されました。

8年落ちの中古車なんて買うからだ。
この貧乏人が!
「効いて当たり前」の環境に慣れてしまっているので、もはや暑さに耐えることができません。

冷房が効かない…代表的な修理と費用は?
初めの頃は「外気温がそこまで高くないから、まぁこんなもんか…」なんて自分に言い聞かせてましたが、毎回続くといよいよアホでも気が付きます。
「あれ、もしかしてエアコン壊れてる…?」
すぐ頭に浮かんだのは修理に掛かるお金のことでした。

エアコンの修理代って高そう。
でも、自分じゃ直せないしな〜…
ネットで調べてみたところエアコンが効かない場合、原因がいくつか考えられるそうです。
●エアコンガスが足りていない→3,000〜5,000円
●エアコンガスが漏れている→20,000〜30,000円
●ファンモーターの不調→20,000〜30,000円
●コンプレッサーの不調→50,000〜100,000円
ざっくりした相場はこんな感じでした。
この類いの故障って、どれぐらいの修理費がかかるのか読めないのが嫌です。
では、マイカーのエアコンが不調な理由はこの内のどれなのでしょうか?素人なりに分析してみました。
エアコン不調の原因を、具体的な症状から考えてみる
一応、冷風らしきものは吹出口から送られてきます。ホントに申しわけ程度ですが…。
「この設定温度だったら、この位の冷房がくるな」という予想を裏切るショボさです。
ただし全然効かないかというとそうでもなく、一応は冷房は効いている様子。設定温度を24℃、23℃、22℃…と下げていくと、微妙にではありますが徐々に冷たい風になっていきます。
冷風こそ出ませんが、送風機能に問題は無いようで、風量MAXに設定すると風をバンバン送ってくれます。
この送風を顔に直撃させることで、なんとか暑さをしのいでいる状況です。
気温の低い時期に乗っていた時には温風はしっかり出ており、同乗者からも不満は出なかったと記憶しています。
現に設定温度を上げてみたところ、やはり温風は出ます。
どうやら冷房のみ効かないという状態のようです。
一般的な車のキンキン度合いを100とすると、私の車は毎回20くらいのパワーしか出ないのですが、時々50くらいまで復活することがあります。
車に乗っていて5回に1〜2回位の頻度起こるのですが、どのような条件でこの奇跡が発生するかまでは掴めませんでした。
以上①〜④の判断材料をもとに、不調の原因を分析してみることにします。
ファンモーターの故障だと風自体が出ないか弱いかのどちらかだと思われるので、ファンモーターが原因では無さそう。
エアコンガスが漏れているという線も薄いと思われます。ガスが漏れ続けていた場合、調子は悪くなる一方なはずなので好不調の波があることと矛盾するからです。
同様の理由から、エアコンガスが足りていないというのも何か違う気がします。
そうなると、コンプレッサーの故障の疑いが濃厚です。
エアコン自体一応機能はしているようなので、完全に壊れたわけではなく壊れかけの状態にあるのかも知れません。
コンプレッサーが原因?
コンプレッサーの故障が原因だとすると、部品交換ではなく「コンプレッサー本体ごと交換」コースでほぼ確定です。
修理費用は5〜10万円ほどと、上記の修理例の中で最も高額になります。
自分で交換できれば費用は抑えられますが、はっきり言って自信ゼロです。というか、壊しそうな予感しかしません。
こうなったら藁にもすがる思いで、前々から気になっていたアレを使うしかありません。
エアコンの性能を復活させる、夢のような添加剤
それがこちら、ワコーズの「パワーエアコンプラス」です。

この製品はカーエアコン用の潤滑添加剤で、実売価格は3,800〜4,500円ほどです。
エアコン添加剤というジャンルにおける定番中の定番アイテムです。
色合い的にエナジードリンクをイメージしてしまいますが、実物はその1/4位のサイズです。中身入ってんのかってくらいに軽いです。
値段も安くはないので少し悩みましたが、以前からこの製品を試してみたかったのでいい機会です。
とりあえず施工してみることにしました。
- コンプレッサーの潤滑を向上させることで、フリクションを低減
- システム内部の汚れを取り除き分散させることで、熱交換効率を高め、エアコンの冷房効率を向上させる
この添加剤は、私が怪しいとにらんだ「コンプレッサー」の動きを良くして冷えるようにする作用があるとのこと。
道具さえあれば、だれでも作業できる
準備するもの
●ガスチャージホース
これだけです。

これがあれば添加剤だけでなくエアコンガスの充填も出来ます。
Amazonの、パワーエアコンプラスの商品ページでサジェストされてたので(この商品を買った人は…ってやつ)、進められるままにポチりました。
…が、商品に不具合があり作業に少々手こずりました。
この製品についても近日レビュー予定ですので、その「不具合」についてもその機会に触れたいと思います。
作業中に勢いよく冷媒が飛んできたり、オイルが飛散する危険があるため、手袋とゴーグルを装着するようにしましょう。
※冷媒は低温になるので素手で触らないようにしてください。

それでは作業スタート

ホンダ・フリードスパイク(GB3)
手順は①〜③まであります。誰でも出来るような作業かとおもいます。
作業時間は30分かからない位です。
それでは早速、作業スタート。
手順① 缶をホースにセットする
まずはパワーエアコンプラス(缶)をガスチャージホースにつなぎます。

ホースの両端には、それぞれコネクタ(メス)がついています。缶を接続するのはつまみネジがある方です。
もう一方のコネクタはと言うと、車のエアコン配管との接続用です。
どっちのコネクタにつなぐのかは、現物を見れば間違いようがないのでご安心を。

ここで確認が必要なのは「つまみネジが一番上まで上がっているか?」ということ。
このつまみネジ、コネクタ内にあるニードルバルブ(缶に穴を開けるためのぶっとい針)を上げ下げするためのネジなんです。
このネジが下がっていると針も下がっている状態にあるため、接続している最中に缶に穴が空いてしまい、ガス&添加剤ダダ漏れ噴射で3800円をドブに捨てることになります。
そうなったら余りにも悲し過ぎるので、画像で詳しく説明しておきます。
下の画像のように、つまみネジを締めていくとニードルバルブ(針)が下がってきます。この状態で缶を接続しないでください。

この状態で缶を接続しないでください。
下の画像のように、つまみネジをしっかり緩めてニードルバルブを一番上まで上げてください。この状態で缶を接続します。

この状態で缶を接続しましょう。
このポイントさえ押さえればあとはカンタン。缶をコネクタにねじ込むだけです。

これで手順①は完了です。

手順② ホースを車につなぐ
次はガスチャージホースを車のエアコン配管につなぐ、という作業になります。
どこに接続するのかさえ分かってしまえば、この作業も簡単に出来ます。

接続するのは「低圧ポート」というところ。
エアコンガスやエアコンオイルの補充・交換が出来るようにどの車にも必ず設けられています。ほとんどの車はボンネット内にあります。

引用:整備士サボカジのブログ
フリードスパイクの場合、下の画像の丸で囲ったところに低圧ポートがあります。ちなみに旧型フリード(GB3/4)もこの位置です。

ここにあります。
写真左、運転席側です。
分かりにくいので、もう少し拡大してみましょう。

金属の配管から、“L”と刻印のある水色のプラスチックキャップが突き出ているのが分かります。※画像見づらくてすいません。
これが低圧ポートです。
キャップを外すとコネクタ(オス)になっていることが分かります。ここにホースのコネクタ(メス)を接続します。
ちなみにキャップを外しただけでは「プシュッ!」なんてガスが噴出することはありませんので怖がらなくてOKです。

上の画像にあるようなコネクタのことを一般的に「クイックカプラー」と呼びます。※以下の表記もクイックカプラーで統一させて頂きます

ソケットとプラグからなります。
ホースを低圧ポートに接続する際は、カプラーソケットの外側をスライドさせた状態でポートに取り付けます(下の画像参照)。

プラグにカチッとはめてやります。
ここで必ずチェックして欲しいのが、カプラーがガッチリはまっているか?ということ。
ホースをつなぐ際「プシュッ!」と勢いよくガスが吹き出る音がしますが、怖がらずにそこからあと一歩、手応えがあるまで押し込んでやってください。
「あと一歩&手応えがあるまで」が重要なポイントとなります。
この接続が不充分だと、一見キチンとはまっているように見えても、パワーエアコンプラスを注入するときのガス圧などで外れてしまう恐れがあります。
そうなるとこれまた作業はジ・エンド。
そうならないためにも、しつこいくらい接続後の再確認をしましょう。
You TubeのDIY動画を見ていると、ここで失敗する人も少なくないようなので注意が必要です。

しっかり押し込んでください。
これで手順②も完了です。

手順③パワーエアコンプラスを注入する
いよいよ最後の手順、パワーエアコンプラスの注入となります。
とその前に、ホースのエア抜きをしなければなりません。
クイックカプラーを接続した段階ではガスチャージホースに付いているゲージの針はレッドゾーンを指しているはずです。これはホース内部に圧力が掛かっている証拠。
この圧力を利用してホース内部にある空気を外に出してやります。

これでOK
パワーエアコンプラスを接続したコネクタを少し緩め「プシュー!」とガスを抜いてやります。1秒くらいで充分です。
※ニードルバルブのつまみネジではないです!缶上部のネジ部を緩めてください
缶をすぐに元の状態まで締め込んだら、エア抜き完了です。これでホース内は車側から放出されたエアコンガスで充満している状態です。
ゲージを見ると圧力が下がっていることが分かります。

ガスの噴出音がしたらすぐ締める。
エア抜きが完了したら、一旦車内に入りエアコンをONにします。
【温度:LOW】【設定風量:MAX】【内気循環】に設定します。

エア抜き&エアコンの作動が完了したら、いよいよ添加剤を充填していきます。
ニードルバルブのつまみネジを最後まで締め込んでください。
かすかに「シュッ」と、ホース内をガスが通る音がして、缶がどんどん冷たくなってきます。

缶の冷え具合で穴が開いたことを確認できます
このときにつまみネジを戻してやると添加剤がスムーズに流れるようです。
私の場合は缶を少し振ってみて中身が残っていたので、時々缶を傾けてやったりしました。


エアコンが復活しているか気になって、時折車内に入り冷え具合を確認したりしました。
この時点ではあまり変化が無いように感じられました。不安が高まります…。
また車外に出て、祈るような気持ちで缶を傾けて中身を使い切りました。

ホースを車から取り外す前に、あらためてゲージを確認します。さっきよりも上がっていますが…

ゲージの青ゾーンが適正範囲だと聞いていたのですが、少し足りません。
えっ、ちょっと待って…
5分待つことにしました。

さっきよりもまた上がっていますが、青ゾーンまではあと一息。
エアコンガスが足りていない可能性が急浮上しました(!)次回の課題です。
このあとしばし待ちましたが、とうとうゲージは青ゾーンに入ることはありませんでした…

嫌な予感しかしませんが、作業自体は完了したので車両からホースを外します。

注意してください。
最後に低圧ポートのキャップを締めて、手順③も完了!
これにて今回の作業の一切は完了です。
パワーエアコンプラス施工の結果は・・・
次回に続きます。
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