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【起死回生の1300万再生】EVISBEATS「ゆれる feat.田我流」の制作秘話。

目次

EVISBEATS「ゆれる feat.田我流」

EVISBEATS【MV】ゆれる feat. 田我流

たまたま出来たヒップホップ・クラシック

2015年に発表されたこの楽曲は、日本語ラップを代表するクラシック(名盤)となりました。

ありのままのライフスタイルを綴ったリリック(歌詞)が、メロウなトラックに乗って淡々と流れていくような印象の曲です。

YouTubeにアップされたミュージックビデオは約1300万の再生回数を誇ります。

今回調べてみて意外だったのは、「ゆれる」は偶然出来た曲だったということです。

きっかけは、田我流がEVISBEATSに別件で曲の依頼をした時のこと。

EVISBEATSから、彼が以前に作った曲を聴かされたそうです。

「次のアルバムのためにトラックを作ったんだけど、誰も上手く歌いこなせないんですよね。」

その話の流れで、田我流が以前に書き溜めていた歌詞をそのトラックに乗せてみようということになりました。

これが思いのほかピタッとハマったため、サビだけその場でサクッと作って出来上がったのがこの曲でした。

どん底の生活から生まれた歌詞

田我流は当時を振り返って、「仕事もお金も無くて、精神的にもかなり追い込まれていた時期」と語っています。

音楽だけでは食えないのでアルバイトで食いつなごうとするものの、他人には簡単に出来るような作業でも何故か彼には出来ません(本人曰くADHD気質があるようです)。

そんななか、彼は一枚のレコードを毎日聴き続けます。

そのレコードに収録されている、一曲のジャズに乗せるリリックを書くためでした。

書いては消し、書いては消し…という作業を繰り返し、半年後にやっとリリックは完成しました。

それが後に「ゆれる」の歌詞となりました。

限りなくシンプルを追求したトラック

トラックはSlum Villageの「Fall In Love」をサンプリングしたものです。

ジャンルとしては90年代の黄金期に流行した”ブーンバップ”と呼ばれるものです。

太いドラムでループする、ストレートなヒップホップです。

このトラックには「できるだけシンプルに」という田我流のアイデアが反映されています。

音は一切足さないようにして、逆にどんどん音数を減らしていく手法をとりました。

音を抜いていく…という逆算の方法で、「どれだけ人の心を掴めるのか?」という実験をしてみたかったそうです。

出来上がったのは、限りなくシンプルな構造のトラックでした。

手応えが確信に変わった瞬間

たまたま出来上がった曲でしたが、完成後には二人ともかなりの手応えを感じたようです。

その時の気持ちについて、「ヤベぇ、オレは何か(凄いもの)を作ったんだな。」と田我流は表現しています。

手応えが確信に変わったのは、その次の週のことでした。

とあるクラブでDJをする機会があった田我流は、出来上がったばかりの「ゆれる」を披露してみたそうです。

その時のレスポンスは彼の想像を遥かに超えるものでした。

曲をかけた途端、DJブースの前には沢山の人が殺到します。

「これ誰の曲!?」

「めっちゃ良いじゃん!!」

ブースに詰めかけた客たちのリアクションを肌で感じた田我流は確信します。

「あ、これが(オレの)代表曲になるんだ。」

ミュージックビデオ&歌詞についてはコチラをチェック!

EVISBEATS【MV】ゆれる feat. 田我流

この心がゆれる時がある それはバイト帰りのサンセットだったり 本の中に答えを見つけた時だったり 季節の変わり目を感じた時だったり またはステージの上でHIGHな時だったり 好きな娘とまったりな時だったり たまたまDIGした一枚のVINYL(※)だったり 感動して頬伝う涙だったり

※…DIG(ディグ)は掘る、VINYL(ヴァイナル)はレコードのこと。「たまたま掘り当てた(見つけた)一枚のレコード」。

ほんの一瞬、その一瞬を求めて 猫みたいなBITCH(※) 追いかけるのに必死 人生の見せる美しき1シーン そのまた不思議なパートに魅せられ とどのつまり夢から夢を綱渡り 社会から見れば窓際の人 でもいつに生まれても「俺は俺だ」と

※…日本では「ヤリマン」の意味で使われたりするが、本来は「自我が強い女性」に対して用いられる。

時代に合わせ呼吸するつもりはない 人であることを選び 求めるLOVE DOORSのようにLIGHT MY FIRE(※1) あのJAZZMANみたいにNEVER RETIRE(※2) 音の中に生きると決めたこの人生 まだまだ未熟で俺は小せぇ でも、どうせやるならばこのまま挑戦 誰かがゆれるための曲を書こうぜ

※1…『light my fire(オレに火をつけてくれ)』は、アメリカのロックバンドTHE DOORSの大ヒット曲。

※2…日本のジャズ界のゴッドファーザーこと、ウッドベーシストの鈴木勲を指している。

今日は残りの人生の始めの1ページ まだまだやりたいことが山積みさ IT′S A HISTORY CALLED BOOK OF LIFE I JUST RELEASE MYSELF TO GO UP ABOVE(※1) いつものいつものこの道を歩いていこう 人種も政治も宗教も要らないとこ ステージへと続く俺のこの道を SWINGしてBOPしてHIPしてHOPだろ(※2)

※1…「それは歴史と呼ばれる命の書。俺は自分自身を解放して上に上がるだけ。」

※2…SWING、BOP、HIPHOPはいずれも、ブラックミュージックのジャンルの一つ。

俺はイカれた音楽家 無二のMILESTONE(※1) BEATのCONDUCTOR(※2) 果てるまでSING A SONG 咲かそう枯れ木に花を 踊ろう時には土砂降りの雨に打たれて 早すぎて流されがちな日々にふっと 何もかも変わっちまいそうな気がするけど そんな時ほど心に太陽を なるようになるさと言い切れる勇気を ゆれる 風に ゆれる 明日に ゆれる 分からずに だけど、弛まずに LET’S GET IT ON HA??(※3) バラ色の日々 遠回りばかりでも悪かない別に

※1…目印のために、一定の距離間隔で置かれる石(標石)。転じて「物事における画期的な出来事」を指す。

※2…指揮者

※3…LET’S GET IT ONは「愛し合おうぜ(さぁ、ヤっちまおう)」という意味。文末に「HA??」が入ることで、おどけたようなニュアンスになる。

ゆれる ゆれる 胸が 胸が ゆれる ゆれる 胸が 胸が ゆれる ゆれる 胸が 胸が ゆれる ゆれる 胸が 胸が

アーティスト情報

EVISBEATS

奈良県出身のトラックメーカー、MC。現在はMCとしてはAMIDA、トラックメーカーとしてはEVISBEATS(エビス ビーツ)という名で活動している。

ヒップホップグループ韻踏合組合奈良支部であるNOTABLE MCの元メンバーである。当時はAKIRA(アキラ)という名でOHYA(現だるまさん)と共に活動していた。

【出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アミダ_(ミュージシャン)

EVISBEATS【PV】いい時間
出典:YouTube

田我流(でんがりゅう)

日本のラッパー、DJ、俳優である本名は田村 隆(たむら たかし)。

1982年、山梨県一宮町(現在の笛吹市)に生まれた。広告代理店勤務の父親と専業主婦の母親を両親に持つ。高校を卒業した2001年、アメリカ合衆国ニューヨーク州に留学した。2004年に帰国。故郷に戻り、幼馴染たちとstillichimiyaを結成した。

【出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/田我流

stillichimiya【MV】ズンドコ節
出典:YouTube
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