とある日の昼下がり。
「ドッ!!」

ぬわぁッッ‼…はぁはぁ・・・
昼寝をしていた私は、心臓が止まるような衝撃を感じて飛び起きました。
すると、そこにはわが娘が。

・・・・・
どうやら寝ている私の胸に、マイブームの「両足ジャンプ」をプレゼントしてくれたようです。永遠の眠りにつけ!…という娘からのメッセージ、といったところでしょうか。聖飢魔Ⅱの世界観ですね。
ツーンとした娘の表情をみて「あぁ…機嫌はそれほど良くないのだな」と直感しました。それもそのはず、娘は妻に叱られたばかりのようでした。
この時の私はその理由までは分かっていませんでしたが、妻がすぐに寄ってきて事の顛末を教えてくれました。

〇〇〇(娘の名前)が、洗面所のタオル掛けを引っこ抜いちゃったの。
どうやら…
タオル掛けを壊す→ママに怒られる→ふてくされる→パパの胸にジャンプ
…という流れのようです。
すこし流れにおかしなところがありますが、今回の本題はそこではありませんので深くは考えないようにしておきます。
二つの意味で、少し胸につかえを残したまま洗面所に向かうことにしました。

引っこ抜かれた、タオル掛けがこちら…
確かに、壁に取り付けられたタオル掛け(タオルハンガー)が、引っこ抜かれてます。

このタオルハンガーは両端で固定されるタイプの製品ですが、向かって右側は壁から完全に抜けています。
壁からは離れていませんが、左側も手で動かすとグラグラします。取れかけている、といった感触です。
上の画像の中にもありますが…タオル掛けに掛かっている「白×灰のタオル」はセリアに行ったとき妻が見つけてきたものです。
我が家では手拭き用に使っているのですが、これが全然水分を吸いません…。
妻もそう思っているはずなのですが、毎回このタオルをここに掛けます。
世界七不思議の一つです。
タオルハンガーを取り外す。
このまま放っておくと、まだ壁についている側のダメージが広がってしまうため、早急にタオルハンガーを壁から撤去することにしました。
右側の付け根部分を調べて、分解できないか探ることに…
困ったことに、取り外し方をネットで検索しようにも型番等手掛かりになるような情報がタオルハンガーに一切有りません。
文字通り、手探りで手がかりを見つけようと思います。
何もわからない状態で、まだ傷の浅い左側の付け根をいじって壊してしまうのは、何としても避けなければなりません。
完全に外れている、右側の付け根部分を探ってみることにしました。

なにやら、ネジが出ている辺りが怪しい気がします。
よくよく見てみるとグレーの樹脂部分に継ぎ目がありました。この樹脂部分は一体物ではなく、2つの部品から出来ているようです。

このパーツが外せないか試みます。

反対側に無理な力が加わらないよう、カバーを外している手とは別の手で、終始タオルハンガーを保持しながら行いました。

慎重にこじってみると部品の上側、継ぎ目付近からパカッと外れました。

上から下に部品を滑らせるようにして…無理な力を加えないように…、

おー、やった‼外せました~。

ネジ2本も救出完了。
ネジは、金属のステーにはまっているだけでした。
タオルハンガーを設置するときは、ネジで取付けたあとカバーをはめて隠すようです。
これで、付け根の外し方が分かりました!
いよいよ…右側の付け根部分を、壁から外します!
こちらも作業自体は全く一緒ですが、こちらは壁に固定されている部分となりますので、より慎重な作業を心掛けました。

ハンガーの重みで、グレーの樹脂の継目付近が浮いていますね。大丈夫かな…?

後から気づきましたが、作業を始める前に掛けてあるタオルを外しておけばその分の重みはこの部分に掛からなかったのではないかと。アホですね。
タオル邪魔ですね。

パカッ。取れました。

タオルハンガーが傾いてはいますが、しっかり固定されているようです。
ドライバーでネジを外します。

優しく外します。

ネジがすべて外れましたので壁からタオルハンガーを外します。
取り外すときは壁からポロポロと石膏(もしくは木)のカスが出ますので、床に新聞紙などを置いて作業すると後が楽です。
タオルハンガーの歪みを修正する
娘が引っこ抜いた時の力で、タオルハンガーのステーも歪んでいました。

写真ではわかりづらいですが、ネジを受ける金属ステーがタオルハンガーの中心に向かって、ハの字に曲がってしまっています。
曲がっているといっても、2~3mm程度の歪みですので修正すればそのまま使えるでしょう。

所詮タオルを掛けるだけの製品なので、ステーの厚みは大したことないです。手の力で充分曲げられます。上の画像は歪み修正後のものです。
無事…タオル掛けが外せたので、ひとまず壁のネジ穴を観察してみる
壁の被害状況はどうでしょうか。

右側の取り付け部分です。ネジ穴が4つありますね。
以前取り付けたタオルハンガーの跡でしょうか?それとも、以前に外れたことがあるのでしょうか?
内から外へと引っ張られたと思われる、ビニールクロス(壁紙)の盛り上がりが認められます。
穴はもはやボロボロなので、このままではネジは効かないでしょう…。
穴の大きさは、ビスの径+1mm程度といったところです。思っていたより穴は大きくないようです。
石膏ボードの破損状況はビニールクロスに隠れているためわかりません。
左側も穴の大きさ自体は右側と似たようなものですが、クロスが盛り上がりが認められないのでボードへのダメージは右側ほど大きくないと推測されます。

左側は扉に近い部分でもあることから、ボードのさらに奥に「下地」と呼ばれる木製もしくは軽量鉄骨製の柱が存在している可能性が高いです。
こちらの穴もボロボロっちゃボロボロなのですが、下地がある分、ネジはしっかり効いてくれるでしょう。
壁の材質について
タオルハンガーが付いていた壁は「石膏ボード(プラスターボード)」と呼ばれるものです。
石膏ボードとは、石膏(せっこう)を主成分とした素材を板状にして、特殊な板紙で包んだ建築材料である。安価であるが非常に丈夫であり、断熱・遮音性が高い。壁や天井を造る際には広く使われ、用途に合わせた種類がある(Wikipediaより)。
現代において、この石膏ボードが用いられていない住宅やアパート・マンション(というか建物全般)はごく少数といえるほど建築材料としては一般的なものです。
このように建築材料としては優秀な石膏ボードですが、弱点も有ります。それは「点の力に弱い」ということです。
石膏ボードは壁や天井に用いるほど丈夫なものではありますが、それは「面の力に強い」ということだけで、ビス(ネジ)などを打ち込もうとするとその周辺がポロポロと崩れ落ちてきます。硬いものの角がぶつかって壁に穴が開いた、なんて経験をしたことのある方も多いのではないでしょうか。
このように石膏ボードとは意外にもろいものなのです。
なので、石膏ボードに取り付けられた備品が引っこ抜けるのは、ある意味しょうがないことでもあります。
みなさんも、自分や家族をあまり責めないようにしましょうね。
修理できるか?
業者に頼めばもちろん綺麗に直してくれるでしょうが、その分費用も掛かります。
ネットで調べてみたところ、工事内容にもよるがおおよそ2~3万といったところのようです。ん~、高い…。
では自分で修理できるか?
答えは「YES」です。
色々調べたところ、自分でもできそうな修理方法は『ねじパテ』を使うというものでした。ねじパテとは、石膏ボード専用のパテでネジ穴を埋めて、再度ネジを打ち込めるようにするという製品です。これが一番お手軽でコストも安いと思われます。
他の修理方法は大なり小なり「今開いている穴を広げる」ようなものばかりでしたが、この『ねじパテ』に限っては穴を広げないで修理できるというのも大きなメリットです。もしこの方法で失敗しても、「やり直しがきく」というのは安心です。
自分で修理できれば安く上がりますが、あまり本格的にやりすぎると取り返しのつかないことに…。というわけで、小心者の私はこの修理方法を選択しました。
次回、タオルハンガー修理に挑みます。



