アイデア・役立つ知識

【後編】「〇〇を上げる」だけで身体能力は向上する。

前編はコチラから↓

顔を上げることで得られるメリットについて

顔を上げることで、体に起こる変化

● 目線が高まり、視野が広がる 

● 首周りの筋肉がリラックスする

● 目線を動かしやすくなる   

上でも述べたとおり、これらは顔を上げることで体感できる身体の変化です。

ここからは、これらの変化が「具体的にどんなメリットをもたらすのか?」について解説していきたいと思います。

メリットは大きく2つあります。それぞれ、詳しく解説していきます。

メリット① 運動能力が向上する

「一流のアスリートほど、顔の位置を高く保っている」というのは先に述べたとおりです。

顔を上げると、自然と腹圧が高まります。

腹圧が高まると、スポーツトレーニングの分野では「コア」、武道の分野では「丹田(たんでん)」と呼ばれる部分が強化されます。

これにより姿勢が安定して、激しい運動でも身体のブレが少なくなり、動作の敏捷性・正確性も向上するといわれています。

これも実際にやってみるとよく分かります。

・反復横とび

・ジャンプ

・シャドーボクシング など

どんな運動でも構いませんので、その場でやってみてください。

“顔を上げた状態”と”うつむいた状態”で比較した場合、明らかに前者のほうが身体が動かしやすいはずです。

このメリットは個人競技・団体競技を問わずに活かすことが出来ますし、日常生活の様々なシーンで役に立つはずです。

ちなみに、かの剣豪・宮本武蔵も姿勢について、『五輪書』の中で以下のように述べています。

体の構え、顔はうつむかず、仰向かず、少し下顎を出すような気持ちで…

…腹に力を入れ…脇差しの鞘に腹を押しつける感じで、帯が緩まないように…

…総じて、普段どおりの姿勢を剣術の姿勢として、剣術の姿勢を普段どおりの姿勢とすることが重要である…

『五輪書』水の巻 兵法の身なりの事 一部抜粋(意訳)

つまり、体の姿勢は「顎は引かずに顔を上げて、腹に力を入れて膨らませろ」ということです。

そして、”戦いの姿勢”と”普段の姿勢”は同じであるべきだとも語っています。

不測の事態にも身体が対応できるような姿勢を普段から心掛けるというのは、いかにも侍らしい考え方です。

と言っても、いわゆる「臨戦態勢」をとっているわけではありません。

肖像画に描かれる宮本武蔵は剣こそ構えていますが、姿勢は自然体です。

この姿勢の素晴らしい点は、実用性が極めて高いことです。

常に肩肘を張った状態ではなく、お腹以外はリラックスした姿勢なので、日常生活にも無理なく取り入れることができます。

腹圧を高めつつ全身は脱力した状態というのは、腰痛や怪我防止の観点からも非常に理にかなった姿勢と言えるでしょう。

● 顔を上げると、腹圧が高まる       

⇒姿勢が安定する       

⇒動作の正確性・敏捷性が高まる

⇒腰痛になりにくい      

● 筋肉の緊張が解け、リラックスできる    

⇒とっさの事態にも身体が動く 

⇒怪我をしにくい       

メリット② 脳の回転が速くなる

顔を上げると、目線を素早く動かすことができます。

顎を引かないように顔を上げた状態では、目の周りの筋肉が緩むため眼球をスムーズに動かせます。

反対にうつむいたり顎を引いてしまうと、眼の周りの筋肉が緊張してしまい眼球運動が阻害されます。

スムーズに目を動かせるということは、脳のパフォーマンスに直結します。

「人間が受け取る外部からの情報の約80%は視覚から」といわれるほど、脳と目は密接な関係にあるからです。

事実として、眼球を動かすことで脳の「前頭葉」という部位が活性化することが分かっています。

この前頭葉というのは、認知機能から運動機能までかなり幅広い役割を受け持っています。

前頭葉が活性化することで、「思考力」や「行動力」をはじめとする多くの能力が向上すると言われています。

前頭葉は、意思や計画性、判断、創造、記憶、抑制、集中など…人間の行動のキーになる働きを司っています。

また、顔を上げると視野が広がり目もよく動くようになるので、より多くの情報が見えるようになります。

うつむいた状態よりも、周囲の状況をより広く捉えられたり、目の前にいる相手の状態をより正確に把握することが可能になります。

これにより脳は受け取る情報の量と正確性がアップしますので、認知ミスや判断ミスの減少につながります。

例として、プロスポーツ選手は一般平均よりも眼球運動のスピードが速い傾向にあるそうです。

彼らに求められるのは、単純に身体能力の高さだけではありません。

スポーツというのは基本的に「見る⇒判断する⇒動く」という作業の繰り返しです。

トップクラスになるほど、この一連の作業を素早く・正確にこなすことが出来ます。

眼球運動のスピードが上がれば、「見る」ことだけでなく、「判断する」という脳の働きにも好影響を与えることが出来ます。

アスリートが動体視力を鍛える理由はココにあります。

ちなみに将棋やチェスなどの頭脳競技においても、一流プレイヤーが集中しているときの目の動きは素早くなることが多いそうです。

● 顔を上げると、視野が広がり、目がよく動くようになる

⇒思考力や創造性が高まる  

⇒行動力や集中力が高まる  

⇒認知・判断ミスが減少する 

前編はコチラから↓