寒さ対策で、なぜ玄関ドアに断熱パネルを貼るの?
プラダンの断熱効果について
使用する材料について
使用する工具について
それでは後編スタートです。
カタチとサイズを決める
まずは玄関ドアに貼るパネルの形状と寸法を決めます。形状&寸法決めで私が心掛けたのは以下の2点です。
- パネルを設置する時と、設置した後を想像してみる
- 面倒な作業は避ける
これらはどういうことでしょうか?画像を用いて説明します。
下の画像は我が家の玄関ドアです。

ドアというものは色々な部品が付いています。ドアハンドルやキーシリンダーだったり、ドアクローザーなどですね。
また、玄関ドアなんかだと来客を確認するための”覗き穴”やドアポストなんかもあります。さらに我が家では荷物の搬出入便利のため、マグネット式のドアストッパーを後付けしています。
パネルのカタチはこれらの付属品を避けたものでなければなりません。

上の画像の白枠で囲った部分はそれぞれ、「ドアクローザー(上部)」「ドアストッパー(下部)」です。この枠で囲った部分にはパネルを貼らないことにしました。
なぜか?
まずはドア上部にパネルを貼らない理由から。ドアストッパーには油圧で可動する部分(アーム)があります。これを避けるようにパネルを切り抜き、かつ貼り付けるのが面倒だったからです。キレイに切り出そうとすると形状が複雑になり多大な労力を費やします。貼り付け作業も地味に難しく、ドアを半開にしつつ全体のバランスを見ながら貼らなければならないので一人で作業を行うには無理があります。
ドア下部に付いているドアストッパーがついては、ドアクローザーとは異なり形状も比較的単純です。切り抜こうと思えば切り抜くのは容易です。ただし、こちらについても貼らないことに決めた理由があります。ストッパーはマグネットで固定する仕組みなので、ぴったりとストッパーの形に切り抜くと後々位置を変更したいときに不便です。足でストッパーを操作するので付近のパネルをキックしてしまう確率が大です。プラダンはそんなに強い素材ではないですし、力が加わると白く変色してしまいます。足元にもパネルを貼った場合、すぐにボロボロになり見た目が汚くなりそうと感じたので「貼らない」という選択をしました。
断熱効果を高めるにはもちろん全面貼り付けたほうが良いですし、見た目もキレイに仕上がると思います。靴が良くぶつかるドアの下の方を保護することもできますしね。このあたりは各人の考え方で決めて良いと思います。
私の場合は、上記の理由から下の画像のようなパネル形状にすることにした。

寸法は内枠ピッタリではなくほんの少しサイズを小さめに切り出すことにしました。これにも理由があります。
内寸ピッタリに切り出すと、貼り付け作業が難しくなります。貼りシロを残しておくことで少しずれても難なく貼り付けることができると思います。それよりも大きいのが「パネルカットに高い精度が求められる」ということです。私には約1.5×0.8メートルの長方形を自分の手で狂いなく切り出す自信はありませんでした。もしナナメって切ってしまったときには、内枠よりもはみ出す部分が生まれてしまい、そのままでは貼り付け自体できなくなってしまいます。
内寸きっちりサイズだとドアの開閉時に干渉する箇所が発生する可能性もあります。ドアの建付けって意外にデリケートなんです。職人さんなんかだと折りたたんだ紙をドアに挟むだけで建付けを変えたりすることもあるようですが、プラダンがドアに引っかった場合に建付けの狂いが生じる恐れもあります。
上記の点に心掛けてサイズとカタチを決めてみました。なお、この時点では大まかなカタチだけ決めることにして、ドアハンドルやポストなどのその他付属品についての寸法計測は後に回すことにします。まずはパネルを切り出し、その他付属品を切り抜くための穴なんかは実際にドアにあててみて位置決めすることにしました。ざっくり切り抜くのにはそっちの方が楽だと思います。
私が製作するパネルの外形寸法は[幅800㎜×高さ1500㎜]に決定です。※実際には幅・高さともにマイナス5㎜した寸法で製作しています。
(所要時間:10分程度)
カットする
大まかなパネルのサイズを決めたら、買ってきたパネルにマーキングをします。下の画像は購入したプラダンですが、これを800×1500㎜にカットしていきます。

マーキングに使うのは[巻き尺・定規・ペン]の3点になります。これらを駆使して大きな長方形を描きます。
①巻き尺とペンで約30㎝間隔に点を書いていく
②定規とペンで点と点を繋いでいく。
こんな感じでマーキングしていくのですが、このやり方だと数ミリ程度の誤差は避けられないでしょう。ドアに貼り付けられるかな?
ホームセンターのカットサービスを利用すればこの作業は省略できます。長方形で有れば2カットだけなので、どのホームセンターでお願いしても100円掛からないと思います。私もやってもらえば良かったとちょっぴり後悔しています。
マーキングが完了したら、カッターでカットしていきます。線を引いているのでフリーハンドでも良いと思われるかもしれませんが、プラダンは一方向に無数の線が走っています。実際やってみるとわかるのですが、カットの最中にカッターの刃がこの縦筋に吸い寄せられていく感覚があります。なので自分の手だけだと確実に曲がって切れてしまいます。定規を当てながらカットしていきましょう。
(この工程の所要時間:15分程度)
カットが完了したら、ドア付属品に干渉する部分の確認です。切り出したパネルを実際にドアに当ててみます。この際にチェックするポイントを下に挙げます。
- カットしたパネルはドアにキチンと収まるか?
- 外せる付属品はないか?
- 切り取るのか?くり抜くのか?
1に関しては言わずもがな。この時点で枠内に収まらなかったり、キツキツだったりする場合は再度、一回り小さくパネルをカットしてやります。
2についてですが、外せるものは外してパネルを張り付けたほうが楽です。この玄関ドアの場合だとドアポストなんかがこれに当たります。外したドアポストをパネルに置いて周囲をなぞるだけで簡単にマーキング出来ちゃいます。ドアハンドルやキーシリンダーなんかも外して外せないことは無いのでしょうが、私には難しいと思われたので外しませんでした。外すのに手間取るようなものは無理して外す必要はありません。
3つ目のポイントが悩みます。[ドアハンドル・キーシリンダー・ドアガード・覗き穴]部分をどう躱すのかを決めなければなりません。くり抜いた方が見た目は良いのですが難易度が上がります。切り取りは比較的楽ですが見た目はあまりよくないです。カットのラインを直線にするか曲線にするかもこの段階で決めます。見栄えを取るなら丸くくり抜くのがベストで、簡易に済ませたいなら直線的に切り取るという選択がベストになります。悩んだ挙句、私は見栄えよりも[簡単さ]を選びました。ハンドルやシリンダーなどのドア端部についているものに関してはザックリ直線的に切り出し、覗き穴だけは大きめの円でくり抜くことにしました。
ドア付属品部分を切り取ったパネルが以下になります。

下の画像はパネルのどこが、どの付属品と干渉するのかを示したものになります。

(この工程の所要時間:25分)
ペイントする
ここまでの作業でできたパネルをドアに仮で設置してみましたが、デザイン性がイマイチ…。
そこでパネルに色を塗ることにしました。

塗装に使う材料は上の画像で確認して下さい。
今回製作する断熱パネルは気に入らなかったらすぐ剥がしてしまおうと思っているので、なるべくコストを掛けたくありません。
ペイントするか・ダイノックシートを貼るかで迷った末、ペイントにすることにしました。シートだと貼るのを失敗してしまうと再使用不可なので、貼り直しでコストがかさむのを懸念してのことです。ダイソーで良さげな水性塗料を見つけられたことも、塗装に決めた理由です。

1500×700mmのパネルを塗るためには80ml入りのボトル2個を使いました。
それでも218円で済みますので、ホームセンターに売っている安い塗料の1/2程度のコストしか掛かりません。

ダイソーにペイント用のローラー(コロコロ)も売っていましたので買ってみましたが、すごく塗りやすかったです。万能ハケも併せて購入したのですが、そちらを使わなくてもバッチリ塗ることが出来ました。
1回目の塗装完了したものが、下の画像です。

1回だけの塗装ではまだ所々薄い箇所がありますので、塗料が乾いたら重ね塗りをします。20分くらいで乾きました。
重ね塗り完了の様子↓

乾くとマットな感じで発色も良いです。ムラが出来ていますが、このムラが塗り壁的で良い味を出しています。
無事塗装成功…と言いたいところですが、間違えて裏面に塗装してしまいました(笑)ツメが甘さが出てしまいましたね。
けど、間違えて裏面に塗ったことでメリットも有りました。プラダンは塗料の定着性があまりよろしく無いようで、強く触ると塗装が割れてしまいます。ドアは手が触れてナンボなので、表面に塗装するとペイントが剥がれ落ちてしまう可能性もあります。
その点、裏面に塗装すれば直接塗装面に触ることは無いので心配ありません。ただドアに剥がれた塗料がくっついて汚れないかが心配ではあります。多分大丈夫だとは思いますが、問題が発生したら追加報告させて頂きます。
「別に塗らなくてもいい」ということであれば、この作業も省略可能です。大幅に時間短縮出来ます。
(この工程の作業時間:60分くらい)
貼り付ける
パネルに色を塗ったら、いよいよ貼り付け作業です。
貼り付けには両面テープを使います。剥がすときにノリ残りするのが嫌だったので”剥がせる”タイプの両面テープを使いました。
テープはパネルの全周とくり抜いた部分を囲うように、なるべく隙間なく貼っていきます。ドアとパネルの間に隙間が多いと、ドア表面と室内の温度差で結露が発生しそうだったので。

仕上がりはこんな感じです↓

隙間なくと言いながら、隙間ありますね…。
両面テープの剥離紙を剥がして、位置をよく確認しながら貼り付けていきます。
やはりプラダンと塗料の相性が良くはないようで、両面テープを剥がしてみたところ塗料がテープに持っていかれちゃいました。塗料じゃなくてシート貼りの方が良かったかも。

↑貼付け後がこんな感じです。
ペイントした分いくらかマシですが、妙な違和感があります。4文字で表現しようとすると「微ダサイ」が当てはまるでしょうか。
特にドアハンドルとシリンダー部分をくり抜かずに大きく切り欠きした部分のクオリティが低いです。手抜き工事は見た目に表れますね。
家族はあんまり気にならないようですが、製作者としては結構な時間を掛けただけに仕上がりを期待していた分ちょっとガッカリな出来栄えでした。
とはいえ、梱包用のプチプチ的な断熱シートを貼り付けるよりはイケてると思います。しっかり断熱もしてくれています。
(所要時間:15分くらい)
微妙・・・あ、そうだ!
このまま終わる訳には行かない!
そう決意した私は、この断熱パネルをカスタマイズしてやることにしました。
それがコチラ↓

ウォールステッカーでデコる、という作戦です。
ステッカーの方に注意を向けて、パネルのあらを気にさせないようにしました。センスが無いのはご愛嬌。
とにかくステッカーの可愛らしさで誤魔化しましょう。見ようによってはオシャレ度もましたきがしませんか?
(所要時間:10分くらい)
あとがき
ステッカーを貼るというアイデアを思いついた時に、もう一つのナイスアイデアも浮かびました。このパネルを「子どものシール貼れるエリア」にしてしまうというものです。
子どもって奴はシールが大好きです。シールを持っているとどこかに貼りたくなるもんです。余計な所に貼られてお困りの親御さんも多いのではないでしょうか?
その点、この断熱パネルにシールを貼られても痛くも痒くもありません。要らなくなったらパネルを捨てるだけです。プラダンで出来ているので、捨てるのも折りたたんでゴミ袋にポイッとするだけです。
子どものシール貼りたい欲求も満たす事ができる低コストの断熱パネルって中々いいアイデアだなぁ〜、と自画自賛しながら今回はお別れしたいと思います。




