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プレミオ/アリオンはイケメン。

今回は「プレミオ/アリオン」という車についてお話したいとおもいます。

このクルマは地味な存在ながら、ある方面からは確実に支持されています。

最新型ではデザイン面でも大きく進化しており、既存のユーザー層以外にも刺さる可能性のあるモデルです。

それでは解説スタートです。

目次

どんなクルマ?

  • プレミオ(PREMIO)
  • アリオン(ALLION)

は、トヨタの4ドアセダンです。

前身にあたるコロナ/カリーナの時代から数えると、50年以上の歴史を持つ超ロングセラーな車種です。

初代プレミオ
コンパクトセダンでは珍しい、
後席リクライニング機能が付いている。
出典:価格.com

クラス的にはカローラよりもワンランク上、というのがプレミオ/アリオンの位置付け。

5ナンバーサイズのクルマなのですが、2,700mmのロングホイールベースにより、大人4人がしっかり乗れる室内空間を確保しています。

またセダンでありながらダブルフォールディングやリクライニングといった機構を備えた、使い勝手の良いリヤシートやトランクルームも特徴です。

他メーカーの同クラスには下記のようなものがあります。

  • ホンダ・グレイス
  • 日産・シルフィ
  • マツダ・アクセラセダン
  • スバル・インプレッサG4

プレミオ/アリオンは、このクラスでは高級志向のキャラクターです。

初代プレミオ
木目調パネルを使ったインテリアは
クラウンを彷彿とさせる。
出典:価格.com

プレミオとアリオンの違いは?

プレミオとアリオンは基本的には同じクルマ、いわゆる「兄弟車」です。

兄弟車とは、基本的な構造は同じものですが、外観を一部変更して販売する車種のこと。姉妹車とも言ったりします。

プレミオは主にトヨペット店で、アリオンは主にトヨタ店で取り扱われています。

  • プレミオはエレガンスなデザイン
  • アリオンはスポーティなデザイン

というようにテイストが異なります。

動力性能や装備に違いはありません。

同じトヨタのモデルで言うと、ノアとヴォクシーの関係性に似ています。

初代プレミオ
クラウンロイヤルを彷彿とさせる
コンサバティブなデザイン。
出典:価格.com
初代アリオン
クラウンアスリートのような
スポーティで若めのデザイン。
出典:価格.com

クラウンに似てる?

「クラウン」はトヨタを代表する高級セダンですが、プレミオ/アリオンはコレに似ているといわれることがあります。

ちなみに両車の車両価格には大きな開きがあります。

2020年モデルで比較すると
  • クラウン:509〜575万円
  • プレミオ:199〜276万円

実際にエクステリアを比較してみましょう。

初代プレミオ(上)と同時期に販売されていた
ゼロクラウンと呼ばれる12代目クラウン(下)
出典:価格.com

フロントグリルやヘッドライトの造形など、確かに似ています。

詳しくない人が見たら同じクルマに見えるかもしれません。

2代目プレミオ(上)と13代目
クラウンのハイブリッドモデル(下)
出典:価格.com

もちろん、車体のサイズや各部の質感などを見比べたら全然違うクルマなのですが、車全体の雰囲気は似ています。

ちなみに、意外な事実も判明しました。

両車の各モデルごとの販売期間を確認してみると…

  • 12代目クラウン:2003~
  • 初代プレミオたち:2001~
  • 13代目クラウン:2008~
  • 2代目プレミオたち: 2007~

なんと、プレミオ/アリオンのほうがクラウンよりも先に販売されています。

だとすると、プレミオ/アリオンがクラウンのデザインに寄せたというよりは、クラウンのほうが寄せた…という可能性も無くはないかもしれません。

ユーザー層が特殊なプレミオ/アリオン

セダン自体がマイナーなジャンルとなって久しいですが、その中でも「5ナンバーのセダン」というのは極めて希少です。

ですが、このジャンルを求める層は一定数存在します。

  • 高齢者
  • 法人
  • 警察

プレミオの個人ユーザーの平均年齢は70歳代とのこと。(アリオンは少し年齢層が若い。)

また、実用的かつお手頃価格のセダンということで、法人車の需要も高いです。良いトコの会社の営業車はコレのイメージです。

最終型プレミオの室内
ゴルフ仲間やお得意先、容疑者まで
様々な人たちを移動させることが可能。
出典:価格.com

覆面パトカーのベース車両として採用されることの多い車でもあります。

つまり、街でプレミオ/アリオンを見掛けたら高齢者か営業マンの可能性が高いです。(高速で見掛けたら、それは営業マンか警察官。)

メインのユーザー層を考慮してか目新しい技術は採用されていませんが、とにかく壊れにくい車両だそうです。

パワートレインのスペックについては平凡ですが、その分信頼性は高くガソリン車としては低燃費の部類に入ります。

前車が2代目アリオンの覆面パトカー。
後車も覆面パトとして定番のスズキ『キザシ』

秘かにイケメン化した最終モデル

プレミオ/アリオンは2代目モデルを2007年に販売開始して以降、2020年現在までフルモデルチェンジをしていません。

元々目立つ存在ではなかったのですが、ずーっと代わり映えしないことでますます存在感を失ってしまいます。

ですが2016年のマイナーチェンジで主に外装をガラッと変えてきました。

2016年6月にマイナーチェンジを果たした
最終型プレミオ(上)とアリオン(下)
出典:価格.com

地味めなデザインは、勢いのあるものへと生まれ変わりました。

大型なグリルやクロームメッキを多用したデザインなんかは、例に漏れずクラウン的なデザインが散りばめられています。

フロントフェイスは力強い印象こそあるものの、「やり過ぎ」的な違和感は個人的には感じません。

グリルからヘッドライトにかけての鋭い造形はマツダのアテンザに通じるものがあり、近年の流行も押さえたデザインになっています。

リアはフロントほどの変化はないものの、
テールランプの光り方などをリファイン。
上の画像はプレミオ、下はアリオン。
出典:価格.com

リアビューにはフロントほどの大きな変更はなされていないのですが、テールレンズの色味やLEDの配置・配光が変更されています。

レンズ色に深みのあるワインレッド系のものが採用されています。

プレミオのテールランプは、点灯させた時に「コ」の字に発光する仕様に改良されています。

プレミオのテールライトは、丸眼2灯タイプとなっており同じ様なレンズカバーでも光り方が異なります。

プレミオのインテリア
ステアリングやセンターパネルの造形
のほか素材も見直しも図られた。
出典:価格.com

インテリアに関しても、良いクルマ感が漂います。

木目調パネルは今までの「いかにも」な感じのものから、木目に奥行きが感じられる華やかなパターンのものを採用。

シート表皮もモケット調から、絹織物風のさらさらとした滑らかな素材と合皮の組み合わせのものに変更されています。特にベージュのシートの見た目は本当に高級感があります。

ステアリングの意匠も最新のトヨタデザインのものが装着されています。

マイナーチェンジの変更点ではないのですが、ドアインナーハンドルのデザインは流れるようなフォルムに捻りを加えた美しいものです。

先進的ではないが、落ち着いたデザインのメーター周り。
出典:価格.com

車両価格からして、使っている素材についてはそれほどコストが掛けられないのでしょうが、内装の質感的には他社の同価格帯のセダンよりも良い印象です。

またグレードによっては、衝突回避支援パッケージ『トヨタセーフティセンス』も装備されています。

ただし機能的には他の最新モデルには引けを取るかな…という内容のものです。

簡易版ではあるが、マイナーチェンジで
セーフティセンスも用意した。
出典:価格.com

まとめ

このクルマは「これぞセダン」という安心感があります。

所有欲を満たすとまでは言えるかどうかはわかりませんが、質感も決して低くはありません。

長期間販売されたモデルということもあり、度重なる改良によって完成度は突き詰められているはずです。

目新しいメカニズムはあまりないという点も、裏を返せば機械としての信頼性につながります。

コンパクトセダンですので、消耗品の支出も比較的安いですし、非ハイブリッドモデルながら燃費もなかなか悪くないという評判です。

  • 運転がしやすい
  • 乗り心地がいい
  • 壊れにくい
  • 維持費を抑えたい

以上のような条件で、新車のセダンを探している人ならプレミオ/アリオンという選択肢はアリだとおもいます。

古い街並みもスイスイの5ナンバーサイズ。
出典:価格.com

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