突然ですが、みなさんに質問です。
下のようなメッセージの看板は、何のために設置されているか分かりますか?
「ご迷惑をおかけしております。道路工事をしています。」
この看板自体は実のところ、私たちに何の情報も伝えてはいません。
道路で行われている工事といえば、道路工事以外にないのですから。
看板を見なくても、周囲の状況を見れば何をしているのかはすぐに分かります。
では、この看板はどんな目的があって設置されているのか?
気になる方は、下記をご覧ください。
断られにくい頼みごとの仕方
○○してもらえますか?
○○なので、○○してもらえますか?
人に何かを頼む時は、単に「○○してもらえますか?」と言うよりも、
「○○なので、○○してもらえますか?」と理由をつけると承諾されやすいそうです。
この行動心理を「カチッサー効果」といいます。
カチッサー効果にまつわる実験
これはハーバード大学の心理学者、エレン・ランガーが1970年代に行なった実験です。
彼女は図書館で、コピー機の前に行列ができるのを待ちました。
そして行列ができると、列の一番前に並んでる人にこう尋ねてみました。
「すみません。5枚だけ先にコピーを取らせてもらえませんか?」
この言い方の場合だと、順番を譲ってくれる人はそれほど多くはありませんでした。
次は理由を添えて、もう一度同じ実験を行ってみました。
「すみません。5枚だけ先にコピーを取らせてもらえませんか?急いでいるもので」
すると、ほとんど全員が順番を譲ってくれました。
この結果はまぁ納得できるものだと思います。
「急いでいる」というのは正当な理由になりえるからです。
意外なのは次の実験結果です。
彼女は再び、行列ができるのを待ってこう尋ねました。
「すみません。5枚だけ先にコピーを取らせてもらえませんか?何枚かコピーを取りたいもので」
すると、全く理由になっていないにも関わらず、またもやほぼ全員が順番を譲ってくれたそうです。
(列に並んでいる人が、コピーを取ろうとしているのは当たり前。)
ささいな頼みごとの場合は、頼みごとの内容とあまり関係のない理由、こじつけでも承諾されやすい。
人は理由があるだけで、なんとなく落ち着く
理由が書かれているだけで、気持ちが落ち着くことがあります。
逆に理由がないだけで、イライラさせられることも。
行動に「理由を添える」だけで、その行動は周りからの理解と譲歩が得やすくなります。
ビックリなのは、その理由が意味を成しているかどうかは重要ではないということです。
「○○なので」というだけで、その行動が正当化されてしまいます。
実際、カチッサー効果は日常のあらゆるシーンで使われています。
イザというときの裏ワザとして、あなたも憶えておくと良いかもしれません。
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