STUDIO韻シスト#6(鎮座DOPENESS&チプルソ)
スタジオ韻シストとは?
「韻シスト」っていうバンド形式のヒップホップグループが、毎回誰がゲストか知らされないまま、乱入してきたアーティストとセッションをするという『STUDIO韻シスト』という、YouTubeの動画です。
なんでも、COCOLO Blandというアパレルブランドの企画だそう。
ヒップホップなんて学生時代に聞いて以来ですが、この動画は理屈抜きに楽しい!なんといえばよいのか…人間の脳って多種多様に発達していくんだな~と思わされるものがあります。
即興要素の高い企画ですが、機転が利くというか応用力がスゴイです。
人間は元々の実力以上の力はそうそう発揮できないでしょうから、事前にパンパンに詰め込んでおいた語彙の引き出しの中からその状況に合うワードを引き出して使うのだとは思うのですが、それでもこんなに流暢に言葉を吐き出せるとは…しかも「えーと…あ~、えー…」みたいに詰まらず、話自体もスベらないで。
バンドの演奏も凄く良いです。
ラップの内容に合わせた演奏が心地よいです。盛り上げるところは上げ、抑えるところはおさえ。これがグルーブってやつですかね。フレーズも耳馴染みが良く、どこかで聞いたようなものもちらほら。こちらも引き出しが半端ないですね。
上の動画とは別の回(ヒダディーのやつだったかな?)ですが、ダフトパンクの『get lucky』とブッダブランドの『人間発電所』が個人的にはアガりました。
私の世代で韻シストといえば、キューピーのマヨネーズのCMタイアップ曲が記憶に残っていますが、調べてみたところ、1998年結成のグループのようで今年結成20周年(合ってるかな?)みたいです。息が長いですね~。私自身年を取るほど長く続けることの難しさを知るようになってきましたが、最近のブームは抜きとして、商業的に決して盛り上がってたとは言えなかったこのジャンルにおいて20年続けられる韻シスト、かっこいいです。
スタジオ韻シストの神回、鎮座DOPENESS&チプルソ
そんなわけで基本的に毎回楽しい『スタジオ韻シスト』ですが、中でも“神回”と呼ばれてるのが上に挙げた「鎮座ドープネス&チプルソ」とのセッションです。
この動画で初めてその存在を知った2人ですが、その個性がまた突き抜けてます。
チプルソについて
まず、最初に登場する「チプルソ」について。
アコギを弾きながら、ヒューマンビートボックスをしつつ、ラップをするという、若干キャラ渋滞が起きているアーティストです。
今は身を引いているようですが、かつてはバトルMCとして名を挙げたそうで、ラップバトルめちゃ強いようです。動画を少し見ましたが、ディスりまくりです。なんでもライブのオファーが欲しかったために、その存在を知らしめるためにラップバトルを始めたとか。
タイプとしては前述したような「引き出し半端ない」タイプです。引き出しの中の量が膨大なのと取り出し方がスピーディで、硬い韻を小気味よいリズムで連射します。“何度目だろぉ…アンドロメダのぉ…”みたいな長い韻を踏んでくるところなんか笑点的な面白さがあります。
甲高い声も特徴的です。あと、とりあえずキンキキッズが好きみたいです。 ドープネスッ♪
鎮座ドープネス
続いて鎮座ドープネス。
初見の鎮座ドープネスのラップはさらに新鮮でした。リズムの取り方というか、ノリが今まで聴いた日本人ラッパー中では飛び抜けてます。この人は生まれて来る時に、パラメーターを音楽の才能に全振りしたのだろうな、なんて感じさせる危うさがあります。
加えて歌心もありますね、この人。久保田利伸系の歌わせたら絶対うまいと思います。ほかの動画で見ましたがレゲエ的なフローも体得してるようです。声も黒人的っぽい。
チプルソ同様、この人も凄腕のバトルMCみたいです。ただチプルソと異なるのは韻重視ではないということ。フローに重きを置いた即興性の高いラップと、自身のキャラクターが相まってとにかく最高です。とにかく色んな人とコラボしているのも特徴で、NHKの子供向け番組なんかにも出てたみたいです。
見た目的には、イッてる太田光に見えなくもないです。病的です。
おすすめです
そんな、異なった個性を持つ鎮座ドープネス&チプルソと、韻シストとのセッションは確かに神回といって間違い無いほど中毒性が高い!偏執的な性質を持つ私は通算200回以上は聴きました(笑)
自分の中のボキャブラリーの奥底にはあるけど、決して言わないもしくは使わないであろうワードを耳に放り込まれてハッとさせられる瞬間があるのも、言葉数の多いこの手の音楽の興味深いところですね。
ちなみにわたしは韻シストのサッコンさんに似てるといわれたことがあります。サッコン氏左利きなんですね、かくいう私も。そんなかんじでした!
アーティスト情報
韻シスト
生々しく独創的でグルーヴィーなサウンドと極上のライブパフォーマンスが圧倒的な評価を受け続ける、大阪をベースに活動するファンキーグルーヴマスターと称される唯一無二のヒップホップバンド。
数度のメンバー・チェンジを経て、2 MC(BASI, サッコン)、Gtr. (TAKU)、Bass (Shyoudog)、Drs.(TAROW-ONE)からなる鉄壁の現メンバーとなる。
1998年の結成当初から大阪を拠点として活動し、日本におけるヒップホップ・バンドのパイオニア的存在として、またミュージシャンズ・ミュージシャンとして高い評価を受け続けている。
【出典:韻シスト | IN-SIST OFFICIAL SITE】
BASI
韻シストBAND
チプルソ
Rapper/Beat Maker。
NoDJ1MC LIVEで永続的に全国をまわっている。
Classic Guitarを弾きながらFreeStyle RapするAcoustic Setもみられる。
FreeStyleでも有名でYouTubeの総再生回数は2000万回を超えている。
2011年に全ての行程を自ら行った作品【一人宇宙-起源FREESTYLE-】(CD)を発表。
えげつない‼チプルソのラップバトル動画
鎮座ドープネス
1981年生まれ、東京出身のラッパー。独特な声質と巧みなスキルを駆使したラップで、フリースタイルMCバトルのシーンから頭角を現す。
ソロとしての1stアルバムは2009年発表の「100%RAP」。
2009年には、日本最高峰のフリースタイルMCバトルのトーナメント「ULTIMATE MC BATTLE GRAND CHAMPION SHIP」で優勝を果たす。
環ROYとのユニットKAKATOやKOCHITOLA HAGURETIC EMCEE’S×近所のメンバー、鎮座DOPENESS & DJ UPPERCUTにも所属している。
【出典:鎮座 Dopeness | clubberia クラベリア】
コメント