Y34・セドリック&グロリアの基本情報
Y34のセドリック&グロリア(以下、Y34セドグロ)とは、一体どんなクルマなのでしょうか?
車両の基本データおよび主なトピックについて紹介します。
車両データ
セドリック | グロリア | |
全長 | 4,860mm | 4,865mm |
全幅 | 1,770mm | 同左 |
全高 | 1,450mm | 1,440mm |
室内長 | 1,905mm | 同左 |
ホイールベース | 2,800mm | 同左 |
車両重量 | 1,580~1,730㎏ | 1,600~1,710㎏ |
駆動方式 | FR/4WD | 同左 |
ブレーキ | 四輪ディスク | 同左 |
サスペンション形式 | 前
後 | 同左 |
上の表を見てみると、微妙に両者のスペックに違いがありますね。全長はグロリアの方がわずかに高いですが、全高と重量は逆にセドリックの方が少しだけ上回ります。
車両サイズは高級セダンらしく、堂々たるものです。
Eセグメントに属しますが、現代の同セグメントのモデルの多くが全幅1800mmを超えている現状からすると車幅1770mmというのは結構なナローボディです。
FRということと相まって、街中でも取り回しはしやすいです。
ホイールベースも同クラスの最新車と比較して若干短いですが、乗用車の中では十分に長いといえるレベルです。
意外なことに、車両重量は現代の同クラスのクルマとあまり変わりません。装備満載の現代のクルマの方が重いモンだと思っていましたが、軽量化の技術も進化しているようです。
現代のクルマと比べ大きく異なる点は室内長です。
1905mmという室内長は今時のクルマよりもずいぶん短い(狭い)です。格下のマークX(現行、1975mm)なんかよりも70mm短いです。簡単に言うと長ーい車体の割に室内はそこまで広くないということ。
それでもソコソコゆったりはしてますが。
車両寸法・重量が一番近いEセグメントの最新車は、現行クラウン(S220型)でした。ただしホイールベースと室内長は現行クラウンの方が大きいようです。
パワートレイン
グレード別の排気量・変速機・駆動方式の組み合わせは以下の通り。
セドリック | グロリア | |||
エンジン
(シリンダー数) | グレード | 変速機・駆動方式 | グレード | 変速機・駆動方式 |
2500㏄
(V6) | 250L | 4AT・FR | 250T
250TX | 4AT・FR |
2500㏄ターボ
(直6) | 250L-Four | 4AT・4WD | 250T‐Four
250TX‐Four |
4AT・4WD
|
3000cc
(V6) | 300LV | 4AT・FR | 300アルティマ | 4AT・FR |
3000㏄
(V6) | —— | —— | 300アルティマ‐Z | CVT・FR |
※一部グレードのみ抜粋。なお、排気量は大まかな数値です。ex. 2987cc≒3000cc
高級セダンらしくFR+大排気量のパワートレインです。街乗りから高速クルーズまで快適なドライビングが可能となっています。
メイングレードは「3000㏄・4AT・FR」である”300LV”および”300アルティマ”です。
ライバル車であるトヨタ・クラウンの同時期モデルと比較よりも、2500㏄・3000㏄ともにエンジンスペックで若干上回っています。「走りの日産」としてはここは負けられないところでしょう。
このエンジンの目玉が「NEO Di」と呼ばれるもので、”ガソリンを直接シリンダーに噴射して燃焼させる”という当時の最新技術でした。いわゆる、燃料の直噴化ですね。
直噴化により、”エンジンレスポンスの向上”と”高い環境性能”が実現できるというのが売りでした。
後述しますが、この直噴エンジンが曲者でこのモデル最大の泣き所となってしまいます。
装備
当時の先進技術であった装備の一覧
7インチワイド液晶モニター | 車両情報表示機能+FM多重付: 見えるラジオ(全車標準装備) |
ゾーンボディ | 高水準の衝突安全性ボディ(全車標準装備) |
アテーサ‐ETS | 駆動力配分式の4WDシステム(4WD車のみ) |
コンパスリンク | 365日24時間オペレータ―にハンズフリーで通話ができる(オプション) |
ヘルプネット | 緊急通報システム(オプション) |
車間自動制御システム | 約50~100km/h以内での追従機能付きのクルーズコントロール(オプション) |
セドリックホログラフィックサウンドシステム | 160Wアンプ・7スピーカー(一部グレードのみ) |
主な全車標準装備の一覧
オートライト | フォグランプ | スタビライザー |
前後上下調整式ヘッドレスト | 運転席・助手席エアバッグ | 全周UVカット断熱ガラス |
無段間欠ワイパー | キーレス | トランクオートクロージャ― |
木目調本革ステアリング | 本革シフトノブ | 左右独立フルオートエアコン |
運転席パワーシート | 運転席ランバーサポート |
※上記は装備の一部抜粋です。年式により上記と異なる場合があります。現在、サービスが終了している可能性があります。
さすがセド・グロ。標準装備も豪華にてんこ盛りです。
先進装備のほうは、今となっては使えなかったり古臭く感じる可能性高し。
それにしても20世紀で既に追従機能付クルコンなんてあったんですねぇ。
新車時の価格
セド・グロといえば、当時の日産ではフラッグシップのシーマに次ぐ高級セダンです。
新車では一体どのくらいの価格で販売されていたのでしょうか?
同じグレードでもマイナーチェンジの前後で販売価格に違いが出ますので、ここではマイチェン前に絞ってみていきたいと思います。
セドリックの新車時価格
- 最上級グレードである「3.0 300LX VIP-Z CVT」で582.1万円。
- メイングレードである「3.0 300LV AT」で412.6万円。
- 素グレードである「2.5 250L AT」で339.1万円。
グロリアの新車時価格
グロリアも一緒かというと少し価格が異なります。なぜか少し高いのです。
- 最上級グレードである「3.0 300アルティマ-VZグランツーリスモ CVT」で597.2万円。
- メイングレード「3.0 300SVグランツーリスモ AT」で430.9万円。
- 素グレードの「2.5 250Sグランツーリスモ AT」で339.1万円。
なぜ、グロリアの方が高額なのでしょう?
残念ながら装備面での違いは見つけられませんでしたが、マイチェンでグロリアの方が外観上の変更点が多いようなのでソコらへんが価格に反映されているのかな?と推察しました。
(詳しい方いましたら、違いを教えてください)
Y34・セドリック&グロリアの魅力とは
デザイン
Y34セド・グロはデザインがとても良いのです。
それまでの旧モデルに比べ、彫刻的なデザインが魅力的です。
これまでのセド&グロのみならず、同時期に販売されていた他メーカーの国産車と比べかなり洗練されたエクステリアを手に入れたモデルでしょう。
ポルシェデザインが手掛けているということもあり、欧州的なテイストも取り入れられています。
今見ると、未来のトレンド先取りしたようなデザインですね。とても20年近く前のクルマとは思えません。
Y34セド・グロ以降に発表された海外メーカーの車種とテイストを同じくする部分もいくつか見受けられます。
クオリティ
これに関しては、歴代モデルの中でも最終型のセド・グロが最良といえるでしょう。
20年前の車とはいえ、Y34セド・グロは当時の国産車の中でも指折りの高級車でした。
クルマとしての完成度は高くないハズがありません。
- 動力性能
- 快適性
- 質感
これらの要素がハイレベルでバランスしています。
動力性能については3リッターのグレードを選べば、まず不満はないでしょう。
2.5リッターでも充分でしょうが、やはり余裕の動力性能でユルユル走らせるのがこのクルマの性格には合っていると感じます。
そして動力性能を語る上で外せないのが、『エクストロイドCVT』の存在です。
トップグレードにのみ搭載される、この変速機構は一般的なCVTとは別モノです。
大排気量・高出力にも難なく耐えるエクストロイドCVT。
「CVTはファミリカー向けの変速機」という当時の常識をぶっ壊しました。
ちなみにこのミッション、単体だと120万円だそうです。
是非一度乗ってみたいものです。
静粛性や乗り心地といった快適性能もポイントです。
高級セダンって、やっぱり静かなんだな。としみじみ感じます。
雨の日なんかは外と車内の音の違いの大きさに驚いてしまうほどです。
正直、走行中のロードノイズは現行のアッパークラスセダンには適いませんが、高級ミニバンには勝てると思います。
乗り心地はフワンフワンとしたソフトなものです。旋回性能は高くありませんが、古き良きセダンといった趣きです。
快適装備に関しても、先で述べたとおり満載されていますので満足度は高いと思います。
内外装の質感も高いです。塗装もしっかりしてますし、インパネは高級車らしくソフトパッドで覆われています。
各小物入れの操作感もシットリした、とても良いものです。
個人的には、全車標準装備であるシート内蔵のランバーサポートが嬉しい。
インパネ&フロントシート周り
引用元:http://history.nissan.co.jp/CEDRIC/Y34/0404/INTER/body1b.html
価格
ここまで色々褒めちぎってきましたが、最後はコレにつきます。
かっこよくて、ドライバビリティに優れ、ハイクオリティなクルマは沢山あります。
しかし、総じてそのようなクルマは高額です。
特に新車だと、欲しくても手が届きません。最近のクルマは成熟は進んでいますが、プライスも右肩上がりの傾向にあります。
そんな中でいいクルマを安く乗りたいとすれば、高級セダンの中古車が満足度高いでしょう。
高級セダンは中古市場ではあまり需要がありません。
日本では”セダン”というボディタイプ自体、そこまで人気がありません。
結果、高級セダンの中古車は、新車価格からすると破格の安値で売られていることが多いです。
これが不人気車だとどうなるでしょうか?バーゲンプライスです。
Y34セドリックだと車両価格20〜30万円代がゴロゴロあります。
グロリアはセドリックよりも人気があるので相場は高めですが、それでも30〜40万円代が多数。
ちなみに同年代クラウンの相場はというと、セド・グロよりも10〜20万円ほど高いです。
意外に安いですね。
では同価格帯で同時期に販売されていた人気車種と比較してみましょう。
R34・スカイラインGT-Rのベーシックグレードと、グロリアの最上級グレードの新車価格が同じぐらいです。
似たような走行距離のもので見てみましょう。
- スカイラインGT-Rが530万円!
- グロリアが38万円!
だめだこりゃ~!相手にならん…。
続いて、陸の王様ランドクルーザー。
こちらもスゴい結果です。
ちょうど100系ランクルのトップグレードと、グロリアのトップグレードの新車価格が似ています。
- 走行距離20万キロ超え、修復歴ありのランドクルーザー218万円!
- 走行距離10万キロ、修復歴なしのグロリア18万円!
狂ってる!なんて日だ!
まとめ
- かつて日産で販売していた日本を代表する高級セダンである
- 両車は姉妹車の関係である
- 両車併せて全13モデルが存在する、歴史ある車種である
- 最終モデルが2004年に販売終了しているため、現在は絶版車である
- 各モデルを通じ、”力強く”、”男性的”な印象を受ける車種である
Y34セドリック&グロリアとは?
- セドリック&グロリアの最終モデルである
- 1999年から2004年まで販売されていた
- セドリックは優雅でラグジュアリーカー
- グロリアはスポーティなグランツーリスモカー
- 当時の最新技術を活かした装備が多数搭載されていた
- 最上級グレードの販売価格は約600万ほど
なぜY34セド・グロがオススメなのか?
- 内外装のデザインが良い!
欧州車的なセンスと先進性は現在でも充分通用する。
- ハイクオリティである!
基本性能が高いほか、ホスピタリティにも優れる。
- 中古市場での販売価格がとても安い!
新車時の1/10の金額での購入が可能。この品質でこの価格は安過ぎる。
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