クライスラーはアメリカの自動車メーカーとして多くの名車を世に送り出してきました。
その中でも2005年から2010年まで生産された初代クライスラー300/300Cは、そのユニークなデザインとパフォーマンスで注目を浴びました。
唯一無二のデザイン: モダンとクラシックの融合
初代300/300Cの最大の特徴はそのデザインでしょう。
大胆なフロントグリルと直線的なボディーラインは、クラシックなアメ車の雰囲気を醸し出しつつも、現代的なスタイリングでまとめられています。
クライスラーはこのモデルに関して、「ベントレーのようなラグジュアリーセダンを作りたかった」と公言しています。
その結果生まれた、この大型のボディとボクシーなデザインは、一見するとまるでロールスロイスやベントレーのような印象を与えます。
しかし、細部にまでこだわったスタイリングはクライスラーらしさも十分に表現しています。
300/300Cの名前は、1950年代と1960年代のクライスラーの高性能モデル「クライスラー300レターシリーズ」から引き継がれました。
車両スペック
全長 | 5,044mm |
全幅 | 1,882mm |
全高 | 1,483mm |
ホイールベース | 3,048mm |
車両重量 | 1,821kg (V6) 1,934kg (V8) |
タンク容量 | 70L |
新車価格(アメリカ) | $23,405〜$42,320 (2005年時点) |
新車価格(日本) | ¥3,990,000〜¥5,900,000 (2005年時点) |
300/300Cのパフォーマンス: パワフルなエンジンと高い走行性能
初代300/300Cのパフォーマンスはそのデザインと同様に、アメリカの自動車文化を強く反映しています。
主に2種類のエンジンが用意されていました。以下にそのスペックをまとめます。
パワートレインについて
エンジン種別 | 3.5L V6 | 5.7L V8 |
最高出力 | 250 hp | 340 hp |
最大トルク | 340 Nm | 525 Nm |
トランスミッション | 5速AT | 5速AT |
駆動方式 | FRまたは4WD | FRまたは4WD |
V6エンジンのモデルでも市街地〜高速道路まで余裕のパワーを発揮してくれますが、5.7LのV8エンジンはさらに強力なパワーとトルクによりダイナミックな走行体験を提供してくれます。
300/300Cには、”SRT-8″と呼ばれるパフォーマンスモデルが存在します。このモデルでは6.1LのV8エンジンが搭載され、425馬力を発生します。
豪華な内装: ラグジュアリーセダンの一員として
クライスラー300/300Cは外観だけでなく、内装もまたその豪華さで有名です。
インテリアについて
シート | フルレザーシート |
パネル | ウッドパネル |
アクセント | クローム仕上げ |
インフォテイメント | ナビゲーションシステム、Bluetooth接続可能 |
レザーシート、ウッドパネル、クローム仕上げのアクセントなど、細部までこだわり抜かれた内装は、ドライバーと乗員が特別な気分に浸ることができます。
このように、初代300/300Cは、ラグジュアリーセダンとしての資質を内外に備えています。
その上で比較的手頃な価格設定であったため、多くのドライバーがこの上質な乗り心地を体験することができました。
大手中古車サイト『Goo-net』で調べてみたところ、3.5Lモデルは約40~150万円、5.0Lモデルは約55~190万円でした。
なお流通台数については、3.5Lモデルで24台、5.0Lモデルで26台でした。
※2023/05/30現在の支払総額のデータ(リムジンなどの特殊車両を除く)
まとめ:価格と品質のバランスが魅力
初代クライスラー300/300Cは、豪華さとパフォーマンスを両立させつつも、その価格は比較的リーズナブルでした。
これは、ハイエンドラグジュアリーセダンへをより多くの人々に提供するという、クライスラーの意図を反映しています。
さらに、そのユニークなデザインにより、アメリカのストリートカルチャーの中でも重要な位置を占め、映画や音楽ビデオにも頻繁に登場していました。
その結果、300/300Cはアメリカの自動車文化の一部となり、今日までその人気を保っています。
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