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【ランボルギーニ・ガヤルド】これぞイタリアンスーパーカー!爆売れした「ベビーランボ」について徹底解説

目次

大ヒットを記録した「ベビー・ランボ」

ランボルギーニ・ガヤルド(Lamborghini Gallardo)は、イタリアの名門スーパーカーメーカー、ランボルギーニが生み出した芸術作品です。

ランボルギーニのラインナップの中では、比較的コンパクトなモデルに位置します。

ランボルギーニ・ガヤルド

ジャンルスポーツカー
製造国イタリア
販売期間2003年-2013年
製造台数約1万4千台
乗車定員2人
ボディタイプ2ドア
クーペ/オープン
レイアウトミッドシップ
4WD/RWD
ステアリング左/右
先代ジャルパ
後継ウラカン
価格帯(新車時)約2,500万円〜2億円

かつてランボルギーニには「ベビー・ランボルギーニ」の愛称で親しまれた、V8エンジン搭載の小型な車種が存在していました。

しかし、1988年にその系譜の最後の車種である「ジャルパ」が製造終了となり、一旦その血統は途切れてしまいます。

出典:Wikipedia

その後1995年、ランボルギーニは新たな小型モデルの開発に着手。

V10エンジンを搭載した「カラ」という新たなコンセプトカーを発表しました。

しかし、運命のいたずらか1998年にランボルギーニがフォルクスワーゲンAGの一部になると、その「カラ」の開発は中断され、販売には至りませんでした。

だからといってランボルギーニが新型車の開発を諦めたわけではありません。

彼らは、「カラ」のスペックを生かして新型車の開発を進め、2003年にその成果を「ガヤルド」として発表しました。

ジャルパ(先代)ガヤルド(前期ノーマル)
エンジン出力250ps馬力は2倍の500ps!
車両重量1510kg-80kg軽量化の1430kg

名前の由来は18世紀のスペインの伝説的な闘牛飼育家である「フランシスコ(フランチェスコ)・ガヤルド」から取られました。

ガヤルドは、2003〜2013年までの10年間で、約1万4千台が製造されました。

新車時価格はノーマルモデルで約2,500万円、最も高価な特別モデルで約2億円ほどでした。

ランボルギーニとしては、それまでの歴史の中で最も成功したモデルで、会社の方向性を大きく変えた一台です。

その大ヒットぶりは、ランボルギーニがそれまでの長い歴史で築き上げた販売総数の3割を超えるという記録を樹立するほどでした。

ランボルギーニはガヤルド以降のモデルを全て自動変速機(DCT)にする方針を打ち出したため、ガヤルドは同社のラインナップで最後の手動変速機(MT)を搭載したモデルでもあります。

ランボルギーニらしいパワフルなデザイン

ランボルギーニ・ガヤルドのデザインは、一言で言えば「感情を揺さぶる」ものです。

切り立ったウェッジシェイプのシルエットから直線を重視したフォルム、そして大胆にデザインされたサイドスクープに至るまで、どこを見ても強烈な個性を放っています。

ボディサイズ・車両重量について

ホイールベース2,560 mm
全長4,300 mm
全幅1,900 mm
全高1,165 mm
車両重量1,430 kg
トランク容量約110リットル
(大きなスーツケース1個程度)

ガヤルドのパワフルなボディラインは、ランボルギーニの一貫したDNAを継承しています。

デザインは、ムルシエラゴでもその手腕を振るったベルギー出身のデザイナーである、ルク・ドンカーヴォルケによるものです。

車両の骨組みとなるシャシーは、アウディのアルミスペースフレームを用いることで、ボディの重量を250 kgまで抑え、トータルの車両重量も1,430 kgと軽量化に成功しています。

これにより、車の動きをより直感的にコントロールできるようになり、ドライバーにはより純粋なドライビングエクスペリエンスを提供します。

ランボルギーニの象徴的な要素である低い全高は、ガヤルドでもしっかりと引き継がれています。その値は1,160 mm。

この低さが生み出す地を這うようなフォルムが、スピード感溢れるエクステリアを作り上げます。

ドアについては、12気筒モデルに見られるシザーズドアではなく、一般的な前ヒンジの横開き方式を採用しています。

これは、ガヤルドが日常の使い勝手も重視したためです。

パワーだけではない、先進の装備と機能について

ガヤルドは単にパワフルなだけでなく、当時先進的だったテクノロジーや装備も兼ね備えていました。

主な機能と装備について

ドライブモードセレクト3つのドライブモードをスイッチ1つで切り替えられる
カーボンセラミックブレーキ高い制動力と耐久性を提供
軽量アルミフレーム高い剛性と軽量性を両立
レザー&アルカンターラ内装高級感とスポーツ性を両立
フルLEDヘッドライト省電力かつ明るく広範囲を照らす
車高調整機能道路の段差を乗り越えやすくする

ガヤルドの開発当時、ランボルギーニはドイツの車メーカー「アウディ」の傘下にあり、エンジンやトランスミッションなどの技術的側面では、その影響がガヤルドに大いに反映されています。

具体的には、初代アウディ・R8とはエンジン、ドライブトレイン、シャシーが共有されているなど、密接な関係があります。

自動変速機「E-ギア」搭載モデルでは、ドライバーの気分やシチュエーションに応じて「AT」「スポーツ」「CORSA」という3つのドライブモードの中から、好みのモードにスイッチ1つで切り替えることができます。

AT:市街地走行に適した、最も穏やかなモード

スポーツ:高速道路やワインディングなど、爽快な走りを楽しめるモード

CORSA:サーキット走行時など、ガヤルドの性能をフルに発揮できる最も過激なモード

これらのモードは一瞬で切り替えることが出来ますが、アクセル開度の設定を変えるだけの単純なシステムではありません。

エンジン・トランスミッション・サスペンションの全て設定を切り替える、とても凝ったメカニズムが搭載されています。

また、最新の軽量素材の採用により、スーパーカーとしては優れた燃費性能と、それまでのランボルギーニ車には無い高次元でのハンドリング性能を実現しています。

ユニークな機能として、道路の段差で車体の下回りを擦らないようするため、フロント部の車高を上げ下げすることができます。(2005年モデル〜

このシステムは油圧式で、車高を上昇させた状態でも70km/hまでの走行が可能です。

猛牛を体現する、驚異のパフォーマンス

ノーマルモデルのスペック

最大出力&トルク520ps
最大トルク52kgf•m
0-100km/h加速時間4.2秒
最高速度325km/h
車両重量約1,450kg
価格帯(新車時)約2,500万円〜

ガヤルドの真骨頂は、そのド級なパフォーマンスにあります。

たとえベースグレードであっても、そのパワーは他のスーパーカーに一切引けを取りません。

エンジンはミッドシップ配置で、2輪駆動ではトラクションを保つのが難しいほどのパワーを持つため、4WDシステムが採用されています。(特別モデルでは2WDの設定も有り)

初期モデルは、5000cc・V10エンジンにより高回転7500rpmで500馬力、そして中速4500rpmで510N⋅mのトルクを発揮します。

エンジンと4WDシステムは、車両の低重心化を目指し、構造的な限界まで下げて配置されています。

複雑なメカニズムのアウディのクワトロシステムではなく、シンプルなセンターデフ方式を採用し、ビスカスカップリング式のLSDを使用しています。

荷室スペースはミッドシップらしくフロントのボンネット内に設けられています。

トランスミッションについては、

  • 昔ながらのHパターンの6速MT
  • 「E-ギア」と呼ばれるパドル式6速DCT

という2つの選択肢の中から選ぶことができました。

“Eギア”は、ステアリングホイールの裏側に配置されたパドルでギアチェンジを行い、手動よりも素早いギア変更が可能で、さらに自動モードへの切り替えも可能です。

さらに2006年モデル(2005年後半発売)からは、市場の要望を取り入れた多数の改良が加えられました。

エキゾーストシステムがよりスポーティなものに変更され、さらに静粛性を向上するためのフラップが市街地走行時に作動します。

また、サスペンションの見直し、新しいステアリングラックの導入、エンジン出力の20馬力増強により最大520馬力となりました。

また、最大の改良点として、1速から5速までのギア比が調整されました。

これらの改良により、ガヤルドは前モデルを遥かに凌ぐパフォーマンスを発揮します。

超刺激的な特別モデルたち

ガヤルドには多くの特別モデルがラインナップされています。

特別モデル一覧

ガヤルド・スパイダー電動格納式ソフトトップのコンバーチブルモデル
ガヤルド・スーパーレジェーラより軽量でパワフルなバージョン。カーボンファイバーの多用により100 kgの軽量化を達成
LP560-4新デザイン、改良されたエンジンで552馬力、ギア比の変更等によりパフォーマンス向上
LP560-4 スパイダーLP560-4のコンバーチブルバージョン
LP550-2 ヴァレンティーノ・バルボーニRWDのみの特別モデル。ヴァレンティーノ・バルボーニ(元ランボルギーニのテストドライバー)を讃えたモデル
LP550-2ヴァレンティーノ・バルボーニモデルの基本的な仕様を継承したRWDモデル
LP570-4 スーパーレジェーラスーパーレジェーラの性能向上版。パワーアップと更なる軽量化で加速性能向上
セスト・エレメントカーボンファイバーを多用したエクストリームなデザインと性能のモデル。限定20台
LP570-4 スーパートロフェオ・ストラダーレレース用モデルの「スーパートロフェオ」を基にしたモデル。更なる軽量化と空力特性の向上
LP560-2 50°アニヴェルサリオ2WDモデル。ランボルギーニ50周年を記念したモデル
LP570-4 スクアドラ コルセレーストラック向けの性能と日常の実用性を両立したモデル

ここからは、上記の各モデルについて解説していきます。

ガヤルド・スパイダー(2005年発表)

出典:Wikipedia

ベースとなるガヤルド・クーペの魅力を踏襲しつつ、ドライバーと同乗者が風を直接感じられるコンバーチブルモデル。

20秒で開閉可能な電動ソフトトップが特徴的。エンジンは520PSを発揮する5.0リッターV10。

価格は約2,800万円から。

最大出力&トルク520ps & 52kgf•m
0-100km/h加速時間4.3秒
最高速度314km/h
車両重量約1,550kg

ガヤルド・スーパーレジェーラ(2007年発表)

ガヤルドをベースに更なる軽量化とパワーアップを図ったモデル。

全体的にカーボンファイバーを多用して100kgの軽量化を達成。エンジンは530PSを発揮する5.0リッターV10。

価格は約3,000万円から。

LP560-4(2008年発表)

新デザインとエンジンを搭載したフルモデルチェンジ版。

エンジンは560PSを発揮する5.2リッターV10。

デザイン面では、ランボルギーニのフラグシップであるムルシエラゴのデザイン言語を受け継ぎつつも、独自の進化を遂げた。

価格は約2,500万円から。

LP560-4 スパイダー(2008年発表)

LP560-4のコンバーチブルモデル。エンジンやデザインはクーペと同じだが、開放感溢れるドライビングを楽しむことができる。

価格は約2,800万円から。

LP550-2 ヴァレンティーノ・バルボーニ(2009年発表)

出典:Wikipedia

ランボルギーニのテストドライバーであるヴァレンティーノ・バルボーニを讃えた限定モデル。2輪駆動という、ランボルギーニとしては異例のドライビング性能が特徴。

価格は約2,500万円から。

最大出力&トルク550ps & 55kgf•m
0-100km/h加速時間3.9秒
最高速度320km/h
車両重量約1,470kg

LP550-2(2010年発表)

ヴァレンティーノ・バルボーニの基本コンセプトを踏襲した2輪駆動モデル。リアのドライブフィールと操作性が楽しめる。

価格は約2,200万円から。

LP570-4 スーパーレジェーラ(2010年発表)

570PSのパワフルな5.2リッターV10エンジンを搭載しており、重量もクーペモデルより70kg軽量化している。

これにより加速性能が飛躍的に向上しており、0-100km/h加速は3.4秒という驚異的な数字を叩き出す。

価格は約3,300万円から。

最大出力&トルク570ps & 55kgf•m
0-100km/h加速時間3.4秒
最高速度325km/h
車両重量約1,340kg

セスト・エレメント(2010年発表)

出典:Wikipedia

ランボルギーニがカーボンファイバーの可能性を追求したモデル。

その名前はカーボンが周期表で6番目の元素であることに由来。

車重は999kgという軽さで、パワーウェイトレシオは1.75kg/PSという圧倒的な数値を誇る。

0-100km/h加速はわずか2.5秒、生産台数は20台という超希少モデル。

限定20台のみの生産で、新車価格は2億円以上。

LP570-4 スーパートロフェオ・ストラダーレ(2011年発表)

ランボルギーニが主催するワンメイクレース、スーパートロフェオのレースカーをストリート仕様にしたモデル。

そのため、ボディには大型のリアウィングやディフューザーが装備されており、そのルックスからはレーシングスピリットが溢れている。

価格は約3,400万円から。

LP560-2 50°アニヴェルサリオ(2013年発表)

ランボルギーニ創立50周年を記念して発売されたモデルで、その名の通りリア2輪駆動を採用。

よりドライバー主体の操縦感を求めたモデルで、特別なボディカラーとともに特別なエンブレムが装着されてる。

価格は約2,500万円から。

LP570-4 スクアドラ コルセ(2013年発表)

スーパートロフェオ・ストラダーレの後継モデルとも言えるこのモデルは、ランボルギーニが持つモータースポーツの精神を体現。

よりレーシングに近い装備とともに、軽量化も図られている。

価格は約3,400万円から。

ライバル車との比較―

ガヤルドは、そのパフォーマンス、デザイン、そしてブランドの魅力により、市場で独自の地位を確立していました。

ただし、ランボルギーニ・ガヤルドが発売された2000年代初頭から中盤において、ライバルとなる高級スポーツカーはいくつか存在します。

そのライバルと比較した場合、以下のような特徴と差異が見られます。

フェラーリ 360 モデナ/F430

フェラーリは常にランボルギーニの主要な競争相手で、360 モデナと後継のF430は共にGガヤルドと直接競合しました。

これらの車はフェラーリのV8エンジンと洗練されたシャシーを特徴としています。

ガヤルドvsフェラーリ

フェラーリは一貫してその運動性能とエンジニアリングの優秀さで知られています。

360 モデナとF430は、それぞれが持つ自然吸気のV8エンジンと優れたハンドリングで高い評価を得ていました。

対して、ガヤルドのV10エンジンは、これらのフェラーリモデルよりもパワーがあり、そのブランドイメージはより反抗的で若々しい印象を与えていました。

ポルシェ 911 ターボ

911はその多機能性とスポーツカーとしての優れたパフォーマンスで長年にわたり愛されてきました。

特にTurboモデルは、高速性能と豪華さを兼ね備えており、ガヤルドと直接競合していました。

ガヤルドvsポルシェ

911 ターボは、その堅実性とオールラウンドなパフォーマンスにより、非常に高い評価を受けていました。

対するガヤルドはより派手で、そのV10エンジンは911のフラット6ターボよりも音楽的な排気音を奏でていました。

また、ガヤルドのデザインは911よりも過激であり、インパクトがありました。

アウディ R8

アウディ R8は、特に初代モデルがガヤルドと多くのコンポーネント(特にV10エンジン)を共有していたため、同時期のライバルと見なすことができます。

R8は、より洗練された乗り心地と実用性を提供することでガヤルドとは異なる顧客層を獲得していました。

ガヤルドvsアウディ

R8は、ガヤルドと多くの技術を共有しており、より日常的な使用に適していると見なされていました。

一方、ガヤルドはよりスポーツ志向で、そのデザインとブランドイメージはR8よりもエキサイティングであり、その魅力はより感情的でした。

アストンマーティン ヴァンテージ

V12エンジンを搭載したヴァンテージは、英国の高級感と優れたパフォーマンスを兼ね備えており、ガヤルドと競合する存在でした。

ガヤルドvsアストンマーティン

ヴァンテージは、その豪華さと独自の英国スタイルで評価されていました。

対して、ガヤルドはより高速なパフォーマンスを提供し、そのデザインはバンテージよりも近未来的な印象でした。

以上のことから、ガヤルドの競争力は、そのユニークなデザイン、ブランドの魅力、そして高いパフォーマンスにあるといえます。

まとめ

ガヤルドはそのパフォーマンスとデザインで大成功を収め、後継の「ウラカン」が登場するまでの間において、ランボルギーニ史上最も成功したモデルとなりました。

今でも多くの車愛好家から愛され、その価値は高く評価されています。

ガヤルドが最も売れた国は?

ガヤルドはアメリカ市場で最も多くの販売数を記録しました。

アメリカはランボルギーニの最大の市場であり、特にカリフォルニア州やフロリダ州での人気が高かったとされています。

その後継モデルである「ウラカン」もまた、ガヤルドのDNAを受け継ぎながらさらに進化を遂げています。

ドラマティックなデザインと強烈なパフォーマンスが絶妙に融合したガヤルドは、間違いなくスーパーカーの金字塔と言えるでしょう。

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