マイクロファイバーには、吸水性やクイックドライなどの特徴があります。
通常のタオルと比較して、さまざまなメリットがあるため、日常生活やスポーツ・旅行など幅広いシーンで活躍してくれます。
この記事では、マイクロファイバータオルの特徴や具体的な利用方法、メリット・デメリット、取扱い方法、おすすめの製品など、そのポテンシャルを最大限に引き出す方法を解説します。
マイクロファイバーの基礎知識
マイクロファイバーとは?
マイクロファイバーとは、極細繊維の総称で、1デニール以下(デニールは繊維の太さを示す単位)の繊維を指します。
一般的に、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維が用いられ、ウルトラファインファイバーとも呼ばれます。
繊維素材の中では最新の部類に入りますが、開発がスタートしたのは1960年代からとなります。少し意外ですが、マイクロファイバーは60年以上もの歴史を持っていることになります
1970年代に入るとウルトラファインファイバー(超極細繊維)と呼ばれるマイクロファイバーの原型が日本で開発されました。
その後も世界的にマイクロファイバーの研究開発が進み、さまざまな産業で広く利用されるようになります。
マイクロファイバーは、その優れた性能から従来の繊維製品に取って代わる存在となり、現在では様々な用途で利用されています。
どれぐらい極細の繊維なの?
マイクロファイバーは、その名の通り非常に細い繊維であり、他の一般的な繊維素材よりもはるかに細いデニールを持っています。
デニール(denier)とは、繊維の太さを示す単位で、1デニールは1グラムあたり9000メートルの繊維の太さを示します。
では、マイクロファイバーはどれぐらいの細い繊維なのでしょうか?他の繊維素材とデニール数の比較を下記に載せてみました。
マイクロファイバーの繊維の細さはダントツです。これが、マイクロファイバーの持つ優れた特徴のヒミツにつながっています。
素材名 | デニールの範囲 |
---|---|
シルク | 1 – 20デニール |
ナイロン | 10 – 1,000デニール |
ポリエステル | 20 – 1,000デニール |
レーヨン | 40 – 500デニール |
アクリル | 75 – 700デニール |
コットン | 100 – 200デニール |
ウール | 100 – 200デニール |
マイクロファイバー | 0.1 – 1デニール |
※繊維の太さは製品や用途によって異なるため、これらの数値は目安として参照してください。
マイクロファイバーって何がスゴイの?
①吸水性に優れる
マイクロファイバーの繊維の細さは、髪の毛の1/100です。
非常に細い繊維で構成されているため、その分表面積も大きくなります。表面積が大きいことで、水分を繊維内に取り込みやすいという性質を持っています。
そのため、コットンタオルや他の繊維素材のタオルと比較して、水分をより速く、効率的に吸収することができます。
同じ体積の綿素材と比較した場合、その吸水量は約5倍といわれています。
②乾きが速い
マイクロファイバーは繊維が非常に細かく表面積が大きいため、水分が繊維の表面に広がり蒸発しやすいという特性を持っています。
また、通常の繊維と比較して繊維間に空気の層が少ないため、水分が繊維内に閉じ込められにくい構造になっています。
さらに、通常の繊維よりも細かく分岐しているため、キャピラリー現象(毛細管現象)が強く働きます。
キャピラリー現象とは、狭い管の中で液体が自然に移動する現象で、この効果によって、マイクロファイバーは水分を素早く吸収し、広範囲に拡散させることができます。
③軽量・コンパクト
マイクロファイバーは、1デニール以下の非常に細い繊維で構成されているため、同じ重さの繊維をより密に編み込むことができます。
これにより、マイクロファイバー製品は、同じサイズのコットン製品や他の繊維製品と比較して、より薄く、軽量でありながら、高い吸水性や速乾性を維持することができます。
また、繊維の密度が高いことで、折りたたむと非常にコンパクトになり、持ち運びが便利になります。
他の素材に比べて軽く、折りたたむとコンパクトになるので、持ち運びに便利です。
どんな用途に使われている?
マイクロファイバーは、タオルやクロス、衣類、寝具など幅広い用途で利用されています。
特に、メガネ拭きや液晶画面のクリーニングクロスとして人気があります。
また、スポーツタオルやトラベルタオルとしても重宝されており、様々なシーンで活躍しています。
シーン別の活用方法について
スポーツ
ジムやプール、ランニングなどのスポーツ時に汗を拭き取るのに適しています。
旅行
荷物になりにくい軽量・コンパクトさが、旅行に最適です。
バスタイム
普通のタオルの代わりに使用し、すぐに乾かすことができます。
キッチン
食器を拭いたり、手を拭いたりするのに役立ちます。
お手入れの方法・取扱いの注意点について
熱に弱い
マイクロファイバーは、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維でできています。これらの合成繊維は、熱に弱いという特性を持っています。
さらに、マイクロファイバーの場合は繊維が細かいので、一般的な合成繊維よりも熱によって繊維が溶けやすかったり、変形したりしやすくなると言われています。
なので、高温で洗濯や乾燥を行うと、繊維が変形したり、収縮したりする可能性があります。同様の理由からアイロンなども避けましょう。
柔軟剤に弱い
マイクロファイバーに柔軟剤を使わないほうがいい理由は、柔軟剤が繊維の表面をコーティングしてしまうためです。
このコーティングにより、マイクロファイバーの優れた吸水性が低下し、本来の性能を発揮できなくなってしまいます
タオルを洗濯する際は、柔軟剤の使用を控えると、吸水性が維持されやすくなります。
おすすめ製品3選
3M スコッチブライト マイクロファイバータオル
吸水性と速乾性に優れ、コンパクトに折りたためるので、持ち運びに便利です。
シーモア クイックドライタオル
軽量で速乾性があり、さらに肌触りが良いのが特徴です。
バッファロー マイクロファイバータオル
優れた吸水性と速乾性を持ち、肌触りも良好で、スポーツや旅行に適しています。
まとめ
マイクロファイバータオルは、その優れた吸水性や速乾性、軽量さなどの特徴から、日常生活やスポーツ、旅行など様々なシーンで活躍します。
ただし、綿に比べて肌触りが劣る点や、繊維が弱く劣化しやすい点には注意が必要です。
適切な取扱いとお手入れを行うことで、長く使い続けることができます。
おすすめの製品を参考に、自分に合ったマイクロファイバータオルを見つけてみてください。
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